今回のインタビューの中で私が驚いたのは、青春という言葉のイメージについて質問をしたときに、インタビュイイが自分とは違ったイメージを答えたこと、だった。私はてっきり「がむしゃらに頑張れたとき」、「何事にも本気に取り組めたとき」、「十代のときの楽しいようなほろ苦い記憶」人生の中で一番充実した時期といったどちらかと言えばポジティブな青春のイメージが答えとして返ってくると思っていた。また、青春を対象とする時期も私は勝手に「中学校、高校時代」、「十代、あるいは二十代前半」に限定して捉えていたので、インタビュイイが30歳前後の話を始めた時には少し驚いた。1つの言葉を取るにせよ、人それぞれの解釈の仕方があるのだと、私は、改めて実感させられた。


 青春についてのインタビューを通して、私が、考えさせられたのは、人それぞれの青春のタイミングは違うということである。私自身が、青春に対して、抱いてきたのは後悔の念であった。それは、青春の話となると、他の人からは、中学校、高校時代の充実した話ばかり聞かされるのに、自分はといえば、その時期にそんなに充実した記憶が無かったからである。なので、私は、自分が貴重な時期を無駄に過ごしてしまったように感じ、今まで、この時期に他の人が語るように充実した生活を送ることができなかった自分に疑問や憤りを感じてきていた。だが、今回のインタビューで私のそうした後悔の念というものは、払拭された。私はあの時期にもっと何でもがむしゃらに物事に取り組まなくてはいけなかったというわけではなく、あの時期には自分が夢中になれるものが無かったのであり、他の人とは違っても私の青春はあの時期ではなかっただけなのだと考えることが出来るようになった。そして、同時に、青春も夢中になれるものも、いつか自分に巡ってくるものではなく、自分で掴んでいかなければ手に入らないのだと、改めて思い知らされた。