野球部「廃部」のPL学園 受験生が「28人」しか来なかった
[2015年2月16日 7時6分配信]
名門・PL学園野球部が突然
「部員募集停止」を発表してから4か月が過ぎた。
背後に学園の母体・パーフェクトリバティー教団の
意思があることを週刊ポスト誌上で報じてきた
柳川悠二氏(ノンフィクションライター)が、
2月16日発売の同誌(2月27日号)で、
野球部の“廃部”によって学園そのものが
存亡の危機にあることをレポートしている。
同誌によると、2月10日、大阪府富田林市にある
PL学園高校の入学試験会場は閑散としていたという。
付属中学からの内部進学者を除く今年度の受験者は、
国公立コースと理文選修コースを合わせた定員75人に対し、
わずか28人(専願は20人)にとどまったのだという。
とりわけ定員割れした理文選修コースの0.23倍という
競争倍率(定員65人に15人の受験者)は、
大阪府内の共学私立としては最低の数字だった
(大阪私立中学校高等学校連合会のデータ)。
敷地内に点在する寮には空室や老朽化が目立ち、
短大の校舎同様、取り壊されることがないまま
廃墟化している建物も多い。学校関係者からは
「数年後には学園がつぶれてしまうことを危惧しています」
といった声まであがっているようだ。
春夏合わせて7度の甲子園制覇を誇る名門野球部は、
野球未経験者である校長の正井一真氏が
代行監督を務める異常事態が続き、部員募集を
再開する気配はないという。野球部OB会長の
鶴岡秀樹氏(ミズノ常務取締役)は、柳川氏の取材に対し、
OBの署名を集め、野球経験のある監督の早期決定と
新入部員募集の再開を求める嘆願書を校長宛に
提出したと明かした。だが、校長をはじめとする
学園関係者に野球部の未来に関する決定権はなく、
嘆願書提出も徒労に終わる可能性が高いという。