2011.3.11まとめ 後編 | ありがとうございました

ありがとうございました

 すべては、無。 
 

19:00

 明治通りも変わらず帰宅難民(なんだか嫌な言葉ですね)で溢れている。


 私は一人だったので、黙々と歩いているのだが、同僚同士や友人同士のかたは少し高揚感さえ漂っている感じに取れる。これが非日常のなせる現実か。


 コンビ二をのぞくとレジ前に大行列。棚のお握り、サンドイッチ、パンはまったくなし。


 閉めている店も多い。 後で聞いた話だと、アルバイトが帰れない、到着できないで、閉めているのではないかと。


 空いてる店はかなり混雑している。


 立ち食い蕎麦屋で女の子がズズ~っと…


 背に腹は変えられないのだろう。


 被災地のかたは水さえも困窮しているかもしれないのか…


 自分も「富士そば」にでも突撃したかったが、先を急ぎたかったし、歩みを止めなかった。



 山手通りを過ぎて少し知った風景が見えてきてホッとする。


 明治通りを私と同方向に走る都営バスはゆっくり、ギュウギュウぎみ。


 でも、疲れたときにはいいよね。



19:35

 246! 渋谷警察署まで来た!


 陸橋上がってみると、246渡って陸橋の降り口はすごい人…


 排水口の詰まり状態のよう。


 乗らないけど、東横線は…


 完全に止まってる。


 よし、ここまで来たら「フォルティス渋谷ジム」に行ってみようかと更に明治通りを…


 いつもの「幸ちゃん」のそばや、ABCクッキングスタジオなんかを通り過ぎて、フォルティス…


 見上げると電気消えてる。


 やっぱ流石にみなさん早めに退散されたのね~


 と思って、視線おろしたら、目の前に会長が!


 そして会長の奥様、喜入先生、そしてなんとガチコ様。


 今、お帰りだそう。


 喜入先生はカフェで時間を潰すそう。


 ガチコ様は渋谷の会社から誰かに会いたくて来てみたらしい。


 その気持ちわかる。


 会長たちは井の頭通りをひたすら歩いて帰宅。


 ジムは天井に少しダメージがあったそう。


 大丈夫かな?


 ちょっと知り合いの顔を見てホッとしてまたひたすら明治通りを~


 三蔵法師ご一行は天竺へ…?


 原宿のそばまで歩いてくると、追い抜かした兄ちゃん二人がしゃべっている。


 「しっかし、な~んで、こんなにみんな急いでんの? べつに急いだってなんにもね~じゃん」


 はいはい、目を細めない、目を剥かないですよ、俺…


 する、と更に追い越したギャルさまお二人、


 「あんたらと違って、みんな待ってる人がいたり、大事な用事があったり、心配してくれてる人がいんだよ!」


 そのとおりです。お見事なお言葉。


 19:50

 ドコモタワ-が見えてきた、もうすぐ代々木だ。


 更に明治通りは人が増した気がする。


 これは新宿に着いたらすごそうだな。


 JR代々木駅はシャッターを閉めていた。


 あれ?


 後でわかったことだが、その日はもう走らせないらしい。


 バス待ちで並んでいるとき、前に立っていた中年のリーマンさんが、「たぶん山手線が一番早く復旧するでしょう。あと1、2時間のうちに…」と、言ってらしたが、どうやら… 無理のよう。



 タカシマヤの周囲もベタ~っと座り込んでる人や、メール打ってる人がたくさん。


 これも後で知ったが、タカシマヤで帰宅できない人を受け入れてる… なんてデマが流れていたらしい。


 マジ、デマ多すぎ。


 関係ないけど、コスモ石油のチェーンメール、3通目だよ~ 心無い人が心無いことをする典型。


20:10

 やっと、ホーム的な新宿へ戻れた。


 はっきり言ってラッキーなだけである。もっと過酷な帰宅を強いられているかたのほうが多い。


 ゆっくり週末に休んでください。


 その後、ゴールデン街の行きつけの店に様子を見に行ったら、やはりキープボトルが落ちて、落ちて… 掃除が大変だったらしい。


 その後、ご常連さんからいろんなお話を聞かせていただく。とにかく、みなさんよく歩かれました。革靴で。


 頭が下がります。


 しかし、被災地のかたがたはもっと過酷な状況なのだと思います。


 なにができて、なにが迷惑か、しっかり見極めたいと思います。


 被災地の皆さま、気を落とさず、乗り切ってください。全国の、いや世界中の人々が冷静に黙って耐えるみなさんを応援しています。