はじめに

こんにちは!  だっこについて国際的なレベルでの共通見解(解剖学、理学、医学、社会学、動物行動学などの多くの視点からの総合的見解)を学んだ専門家、BFCS(ベビーウェアリングファミリーコンサルティングサポート)のかとうです☺︎ 

 

 

赤ちゃんを迎えたらほとんどの人が使う抱っこ紐には、実は落とし穴がいっぱい!買ってみたけれど使えなくてお蔵入り、使い方がわからず赤ちゃんにも自分にも危険な状態を知らずに使い続けている、ネット上で良質な情報に出会えない、などの現状があるんです。

 

 

このブログでは、養育者や子育て支援、医療従事者にベビーウェアリングを伝えてきた経験、さまざまな抱っこ紐メーカーさんとのお仕事経験、抱っこ紐関連の雑誌企画協力などの経験から、だっこと抱っこ紐の”ホント”をお伝えしていきます😃

 

  

さて、今回のテーマはこちら!

だっこは赤ちゃんや産後のママ、家族の心身の一生の健康に影響する!

  
はい。このテーマ、もうね、ほんと、そうなんですよ。一生なんて大袈裟でしょうって声も聞こえてきそうですが、"だっこ"を知れば知るほど、やっぱり関わっています、一生に。 

  

知っても響かなければ、それはそれでいいと思っています。なので私は押し付けたいわけではありません。ただ、

  
もっと早く知りたかった!

  

両親学級で沐浴を習うよりも大切に感じる!

  

こんなに”当たり前”を、どうして知れる機会がこんなに少ないの?!

  

という、こんな声があがることは減らしたい。必要としている人に届くといいなと思っています。

  

  

誰もが、赤ちゃんの健やかな発達を望んでいるし、幸せな未来を願っている。

 

    

ベビーウェアリングには、幅広い分野からの共通見解(解剖学、理学、医学、社会学、動物行動学などの多くの視点からの総合的見解)があり、それが赤ちゃんの一生に、ママの体の一生に、大人の心身の健康に、家族の絆形成に、、、あらゆることに影響していることが一目瞭然。

  

  

今回はちょっと長くなりますが、いくつかの側面を少しずつご紹介します☝️

  

  

股関節について
 

まず代表的なことで言えば、みなさん「先天性股関節脱臼」という言葉は知っている方が多いのではないかと思います。

  

  
じゃあ、股関節脱臼って、何なのか、一体どうやったら起こるのか、そうなってしまったらその先どうなるのか。知っていますか?

先天性股関節脱臼、今は「発育性股関節形成不全」と言います。

  

  

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「股関節脱臼」は以前は「先天性股関節脱臼」という病名が使われてきました。しかし必ずしも先天性ではなく、むしろ後天性に発生することが多く、抱き方や育児習慣で予防できる病気です。
熊本県 天野整形外科さんwebサイトより
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こうあるように、股関節脱臼は"抱き方"によって予防できることがわかっています。逆を言えば、抱き方によって、悪影響となってしまう場合もあるということ。

  

  

日本では3ヶ月検診などで足の動きを確認しますが、検診をする医師が乳児の股関節脱臼のエキスパートではない場合もあるし、そもそもどうなっていたら脱臼の疑いがあるか、ということを知らないことも多いのだそう。

  

  

さらに、股関節が少しずれていたり、良い状態で軟骨が骨化していかない状態だったとしても、普通に歩けるし、走れるし、痛みがないことも多く、見過ごされているケースだってたくさんあるんだそうです。

  

   

ズレが生じた部分は、筋肉が補って成長していく。筋肉がしっかり元気なうちはそれで不調は起こりませんが、歳を取り筋肉が衰えた時、赤ちゃんを出産するために筋肉が緩んだ時、スポーツに打ち込んだ時、股関節のズレが影響してくるのです。マイナートラブルと考えられがちなものですが、これは赤ちゃんの人生に影響してくるものです。

ドイツでは、赤ちゃんの検診で股関節の発育を超音波で診てチェックするんだそうですよ。

  

  

赤ちゃんにとって、だっこの姿勢は一生に影響してくるものであると言えます。

発育生股関節形成不全の予防については、日本でも小児整形外科学会などがリーフレットを出して発信していますが、そういった視点が考慮されていない抱っこ道具や、抱き方を推奨するメーカーさんや専門家とされる人(助産師さんなど)が今もあふれているのが日本の現状です。お店で売っているから安心な道具、ではなんですね〜。

逆に、その時に適切なだっこをすることは、身体の健やかな発達を助ける、ということもわかっています☺︎ 

    

心の面をみてみよう


さて、次に心の面をみてみると。

  

  

いじめ、虐待、DV、うつ、自殺、、、様々な社会問題の根底に関係する「愛着形成」。

赤ちゃんの時に愛情深くお世話をしてくれた存在との間で生まれる特別な絆(=愛着)を獲得することで社会性やストレス耐性などが生まれ、その後の人生における生存を容易にすると言われています。

  

  

赤ちゃんにとって、自分の要求(泣き)に応えてくれた、という経験の積み重ねが愛着形成の基盤となります。そして、愛着形成の助けとなるのが「オキシトシン」というホルモン。これは肌に触れたり、幸せな気分の時などに分泌されることがわかっています。

  

  

「だっこ」することで、赤ちゃんと顔を合わせ、赤ちゃんの要求にこたえ、お世話をする。そしてそこには必ず肌の触れ合いがある。「だっこ」は、最も簡単かつ効果的な、愛着の基礎を築く行為でもあるのです。母子だけでなく、父子の絆形成も容易にします。

  

  

赤ちゃんとの暮らしの中で


時代は変わり、人々の意識も日々変化していますが、まだまだ日本の多くのお母さんに、赤ちゃんができたら自分は後回し、という感覚があるのではないでしょうか。


いいお母さんでなければというプレッシャーを感じたり、キャリアを積んできた女性が出産を機に孤独感を抱えたり、、時代は違えどこんな女性は潜在的に潜んでいるでしょう。

精神的にはそうは感じていなくても、核家族化、ワンオペなどにより、赤ちゃんが泣くからトイレにすら行けない、家事もできないなどという状況から心のバランスを崩してしまうこともあります。


そのような中では、出産前には当たり前だった、好きな服を着る、行きたいところにでかける、趣味を楽しむ、自分らしくいる、などということが叶いにくくなることだけでなく、トイレに行きたい時に行く、食べたい時にご飯を食べる、寝たい時に寝るといった生理的な欲求までもが叶わなくなるのです。

  

  

心苦しくなるわけですよね。。

  

  
だっこが上手になると、赤ちゃんの心地の良い時間が増える=ご機嫌な時間が増えます。

自分のライフスタイルに合った抱っこ紐が上手に使えるようになると、赤ちゃんとの暮らしの中でも、生理的欲求が叶えやすくなるだけでなく、お母さんの自己実現までもが叶うようにもなります。

  

  

お母さんが自分で使いこなすだけでなく、お父さんの抱っこが上手で、抱っこ紐を使いこなせたら、お父さんも自分の時間を持ちながら赤ちゃんとお出かけができる、その時間にお母さんはゆっくりできる・・・なんていう時間も生まれます😊

 

 

 

写真はdidymosさんより。「抱っこで深まるパパと赤ちゃんの絆

 

実際にベビーウェアリングや抱っこをうまく取り入れて、自分らしくいられるようになった人、家族がたくさんいます☺︎

 

女性の身体


「産後は2トントラックに轢かれた体。帝王切開後はもっとと思っていい」

私はベビーウェアリングを学ぶ中で、理学療法士さんからこの言葉を聞きました。

 


出産は病気ではないけれど、身体は大仕事を終えた後。しっかりとお休みをとってあげる必要がある。

 

 

そんな中で、退院後すぐに赤ちゃんのお世話という重労働が待っています。抱っこ紐でいえば、骨盤が開き緩んでいる状態に悪い影響を及ぼす道具や方法で抱っこ紐を使い続けていると、女性の身体は一生に関わる悲鳴をあげることだってあります。

 

 

産後のいつからどういう道具を使うのか。より産後の身体にもやさしい方法を選択すること。だっこはここにもダイレクトに関わってくるものなのです。

 

 

まとめ


身体の発達、心の発達、親子の愛着形成、親である大人の自己実現、ママの身体、、、、

赤ちゃんのだっこが、親子のあらゆる面につながっているということ、少しですがご紹介しました。「選ぶ方法や道具によって悪影響もうむこともあれば、むしろ良い影響をプラスに働きかけるものでもある」。これだけは、まぎれもない事実です。

  

  

正直ね、これほどに関わることなので、日本の隅々まで情報格差なく届く必要があるレベルのものだと感じます。知って取り入れるかどうか自分で選択するのと、知らずに選択できないということは、大きく違います。

 

 
ドイツの両親学級では、「ベビーウェアリング」や「抱っこ紐の選び方」を助産師さんが紹介してくれるんだそうですよ✨

  

  
赤ちゃんの未来の健康に、大人の一生の健康に、”だっこ”を知ってみませんか😊

 

 

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この記事はloveit!babywearing! noteより転載しています☺︎