彼のいない暮らしは喜怒哀楽が乏しい

よくもまあと思うほど 眉間にシワを寄せていた

その癖がなくなったけれど立派なシワは無くならない

そして新たに 視力の悪化をカバーするべく

目を細めたりするのでおでこにシワが出来た

はぁ〜 ため息が出る

 

 暑くなる前にと髪を切りに出掛ける

鏡の前で何度も長さをチェック

前回は切りすぎて 子供以来の短さになったが

意外と自分では楽で良きではあったのだけれど

暑い時はアップにしたりゴムで縛ったりしたい

 暫くほったらかしでセミロングよりもロングに近い長さ

ドライヤーの時間がかかって暑い

悩みに悩んで5cm   これがベストのはず

 

 彼がいた時の方がこまめに行っていた

行かなくなるとなんと言って切ってもらってたかも忘れ

段々 前の髪型や長さも どんなだったっけ? と

お気に入りのお店はすっごく遠い

近場で済ませる時 やらかすことが多い

それでも初めてでは無いお店

いつもは「寝癖が出ないように内側を軽く」とお願いする

 

 1度お任せでカットした時 豪快に漉いたヘアスタイルに

軽くはなった シャンプーは楽だし直ぐ乾く

ショックだったのは髪の中に手を入れると 野球少年

坊主頭くらい短い髪が触れる

良かったのはものの1週間 

短い髪が伸び始め 頭が膨らんでしまう

元通りになるまで1年掛かった

 髪質と量と癖 私の器用さとズボラ具合

全部で髪型は成立すると思っている

だからセットしやすく寝癖が出ないでオーダーする

 

 何故だろう あの椅子に座って ふと思ってしまう

美容師さんがしたがる「軽くする」をしたらどうなるだろう

5cm以外は何も言わずにカットスタート

ジョキジョキ バサバサ 

鋤き鋏がどんどん髪を鋤いていく

出来上がりの確認に鏡で後ろを見せてくれる

 この人の5cmは8cmくらいなのね

夏の間は暑いからちょうどいいのかもね

これしきの事で動揺しない やっちゃたな〜とお店を出る

さりげに髪を触ると 少ない

これ 縛れないかも

 

 肩にちょうどで寝癖がすごい

寝癖直しなら在庫一杯 朝から豪快にじゃぶじゃぶ掛ける

ドライヤーが暑い…

 

 紅茶を飲もうとお湯を沸かす 柄の短い小鍋

右手でお湯をカップに入れ持ち替えてコンロに置こうと

左手で持ったら 人差し指が繋ぎ目の金具を握った

熱くて離したかったのにコップを倒しそうで我慢

3秒握っていた

 流水をかけるけれどズキズキとものすごい痛み

たまらずに冷凍庫の保冷剤を出して握る

痛みがすごくて流水と保冷剤 交互に冷やす

触ると熱はない

 

 まずはワセリンを塗りサランラップを巻く

薬箱の薬を探す前にネットで火傷の薬をチェック

半日ズキズキ 乾かないようにと何故か思って

薬を塗ってサランラップ 翌日様子を見ると

指半分くらい赤くなっていて 関節部分が白くて少しぷくっと

痛みはない 医者に行くべきか迷う

 3日目 赤みの範囲が縮小 白いぷくっとはまだある

薬箱の薬が火傷対応のがあったのも良かったのかな

医者には行かずに様子見で良さそう

ここまでの火傷は人生初

組織が壊れるから氷はダメだそう 散々握った後で知る

 

 1週間もすると見てもわからないほど綺麗に

運転にも影響がないのでちょっと遠くの買い物に

無事に約束の1ヶ月で愛車が修理から帰ってきて

待ちに待っての外出

 

 目的のものを購入して 寄り道したお店

試飲に熱々のコーヒーをくれ マスクを外す

商品の値段を見ようとメガネをかけようとしたら 絡まる

どうやって外そうかと 持ってるコーヒーが邪魔に

 近くに人がいて棚に載せるわけにもいかず 口で咥える

紐が見づらくて少し顔が上向きになった瞬間

熱々のコーヒーを被る

なんて間抜け!

 

 慌てて洗面所を探して駆け込むも 人が一杯

水をかぶるわけにもいかないし ティッシュで吸い取る

幸いにも来ていたのは赤いTシャツで 色は目立たない

ものすごくコーヒー臭がする

乾くまで目立つからハンドタオルで押さえながら移動

恥ずかしいくらいで怪我にはならなかった

 

 有難いほど守られてる いるんだなと思う 

そして これっていつもは彼なのにと思ってしまう

 美容院のカットで失敗ばかりして 私がオーダー

納得の完成形を写真に取り

毎回写真を見せて同じようにカットしてもらう

現場の施工指導で火傷して傷だらけになったり

熱々のコーヒーが口につく前に傾けてこぼして熱がったり

いつもは私がゲラゲラ笑ってたのに

いつの間にか私がやらかす方になっている

 

 2人で1人ってことか

いないけどいて いるけどいない

 愛すべき彼ちゃん ゲラゲラ笑ってる?