2月末に別れて5月に仲直りしたけどけっきょく大喧嘩して決別した相手(長い)からまたお盆の前に連絡がきた。
 
久々に連絡をよこす時、彼は必ず謝罪から入る。

「この前の対応は悪かったと思ってる」というセリフを私はもう何回も聞いた。
 

しかも、今回はまあまあな爆弾を投下してきた。
 


彼は私と付き合ってるあいだ、ずっとバツイチだと言ってた。
それに関しては私も何度も確認したし、
それでも事情があって家族に近い付き合い方をしてはいるけど、離婚は成立してると。
そのように言っていた。
ほんとのところどうなんだろうな、と思ってはいたが、やはりと言うべきか。


そう、彼は離婚なんてしてなかったのです。(はい来たー。不倫男のお家芸)
 
 なんなら離婚する気も無さそうだった。


 
私が独身のお嬢さんだったら傷つきもしただろうけど、
 そうでない以上、
相手が独身だろうが既婚者だろうが不倫は不倫だし、
そもそも私も深く詮索してなかったというのはあるんだけど。



もう期待もないから失望もない、愛がないから悲しみもない、未来がないから裏切りもないという本音を50層くらいのオブラートに包み、
「離婚しててもしてなくてもあなたはあなただよ」と言ったら、
許されたと思ったらしい彼は、
今も私のことを好きだと言ってきた。
 

ありがとうと、優しく私は言った。
 

 



私の胸に仄かな悲しみを残したのは、

メッキを剥いで剥いで剥いで行った男の最後の姿に、どこをとっても私が危ない橋を渡ってまで手を伸ばすほどの魅力が残されていなかったことだ。

 


「嘘をつくのが苦しくなった」

と言って、頼んでもいないのに勝手に裸になったこの人は、

どこにでもいる、普通にずるくて弱くてつまらない男だった。

 


魅力的な芸術家の男を精一杯気取りながら私に近づいて、

そして、足りないものを男からの評価で埋めようとしていた、同じくしてずるくて弱くてつまらない私は、いとも簡単にそれに心酔した。

それだけの物語だったと今なら思う。


 

馬鹿みたいだとは思わない。

世界の見え方なんて、物事の解釈なんて、本人の都合によってその都度変わるものだからだ。

 

 

しかし、

相手の魅力とか男としてのレベルとは関係なく、情愛に似たやさしい思いは、どうしたって残ってしまうから。




ところで、男が別れた相手に連絡をしてくる理由は何だろう。

だいたいの男が、なんらかの理由をつけて別れたあとも一度は連絡をしてくる。


しかも今回は、けっこうな罵り合いの果てに決別したのだ。


もう完全に終わったなと、私は思っていた。


それなのに、先方が謝ってまで!私との繋がりを切りたくなかった理由って。



いまでも私を好きだとか、

そういうことも彼が言ってたようにちょっとくらいはあるかもしれないけど、


死ぬほど下品に言えば(あえて死ぬほど下品に言う意味←)、次に突っ込む穴が見つからなかったゲローって話に行き着くのではないかしら。


たぶん探したんだと思うけど。


でも見つからなくて、手っ取り早くやれそう(に思えた)元カノの私に頭下げて、手元に置いておきたかったというか。



懐かしみというほど黄金色に醗酵してもない、復縁希望というほど真摯でもない、



新しい彼女が欲しいけど見つかんなくて七転八倒してる男の下半身事情がやりとりから見えてくるわけで。


よっぽどモテる一部の層を除き、


男性が「そういう関係」になってくれる相手を探すのはけっこう大変なことなのだ。


にも関わらず、「そういう関係」への欲求はたぶん生理的な面から女よりも緊急度が高いのだ。


あと、実際やるかどうかはさておき、「させてくれる女が1人もいない(モテない)」状況って、プライドの面でもたいへん苦しいのではないかな。


だから、私を好きってより、



自分を承認するために私にコンタクトしてきたように、私には思えた。



私は私でなんでそれを相手してるかって言ったら、




情が半分、研究が半分なのかもしれませんニヒヒ