と、カフェで隣の席に座った女の子は女友達に言い、

そのとびきり可愛い女友達は、

「へぇそうなんだぁ」

と、甘ったるい相槌と共にカフェラテをかき混ぜている。


ああ、これだから女の友情って、偽物だとかなんだとか、よくわかってない男たちに言われてしまうのね。と、隣で盗み聞きをしている私は思う。

なぜならその可愛い女友達にはちゃんと彼氏がいて、

「クラブで知り合った男とその日のうちに寝る 」ことが、いかに結婚を前提とした誠実な恋愛から遠ざかるのか、恐らくわかっているはずだから。

そりゃ、出会いが欲しいなら男のいる場所に出かけるのは必須だけど、


夜な夜なクラブで男を漁って公衆便所化するくらいなら、

一歩も家を出ず、やってきた宅配業者かウーバーイーツの配達員を口説いたほうがマシかもって思ってしまう。

ちなみに、セフレを探すなら、クラブは良いと思います。


話を聞くに、

相手に自分を好きになってもらうためには、

相手の情熱が冷めないうちに早く身体の関係を持たなくてはならないと彼女は考えているようだった。

そう考えてしまうのは恐らく、自分が寝た男をすぐに好きになるからだろうな。

というか、私も含む多くの女にとって、

それはわりと普通のことで。

だからこそ、その男女間の違いをよく知っておかなくては痛い目に遭うのだと思う。

男の人の多くは、寝たからって相手を好きになることはない。

好きだから寝ても冷めないとか、もっと愛情が深くなることはあるにせよ。

或いは、「体の相性がいいから付き合ってみてもいいかも」と軽く考えることはあるかもしれないが、

それは結婚を意識しなくてもいい若いうちとか、

相手の結婚したいオーラを感知した時点で逃亡すればいいと踏んでいる、良識が氷点下の遊び人とか。


もしくは、もうすこし男も女も歳をとり、

「限られた資源を大切にしよう」精神が身に染みてきて、与えられた出会いのひとつひとつと丁寧に向き合うようになれば、

たとえ早い段階で深い仲になったとしても、

良い展望が望めるかもしれないと思ったんだけど。


いずれにせよ、クラブで遊んでる男とのワンナイトになんて、それ以上の希望を見出さない方がいい。不毛もいいところだ。


たとえ出会った場所がクラブでも、やりようによっては良い関係に変えられるとは思う。


しかし!「クラブ」×「即日(或いはなる早)」が組み合わさった時点で、その関係は砂漠度が北極点まで高まる。

そして、「結婚」との親和性は地に堕ちる。

どのくらいの親和性の低さかって言ったら、

「麻薬カルテル」×「慈善団体」くらいですかね。

「ネトウヨ」×「スピリチュアル」とか。


「ナイル川に」×「鮎釣りにいく」とか。(なにそれ)


じつはこの体験をしたのは、何ヶ月かまえで、


さてあれからあの子はどうなったのだろう、


本当の事を教えてくれる友人はいたのかと、ふと思い出したのでした。