昨晩、久々に夜の瞑想をした。
最後の方は、寝てるんだか瞑想してるんだかわからないような状態で意識を失い、目が覚めたら朝だった。
起きた瞬間から、胸の底にドロつくような重さがあって、手足も重い。
意識が明瞭になっていくにつれ、自分がものすごく怒っていることに気が付いた。
それが昨晩の瞑想と関係していることはわかるんだけど、
さて寝ている間に私の無意識はどんなことをしてたのか。どんな工事(笑)が行われて、あんなブチギレそうな気持ちで私は目が覚めたのか。
具体的には、
以前、関係をもった男のことで怒っていた。
もう執着はない(つもり)だし、終わった(つもり)だったのに、
やっぱまだわだかまっていたものがあったのかもしれない。
起きてしばらくいろいろやってるうちに、煙みたいに怒りは消えた。
この人に関しては、いつか書こうと思ってたんだけど、
まぁ本当に、息をするように甘い言葉を囁く男だった。
そういう嘘を平気でつく男がこの世にいることは知っていた。
でも私の経験では、私を愛してない男は断じて「好き」とは言わず、「好き」と言ってくれる人は本当に大切に思ってくれている人だったから、実地の経験がなくてうまく見極めがつかなかった。
っていうのもあるし……
なにより、意識の下で「ほんまかいな」と不信感を抱いている自分を、「愛されたい私」が「余計なこと言うな」とばかりに抑えつけていた。なにせ私は失恋直後だったから、そもそもエネルギーが傷ついていて、つまり私は、脱臼した状態で土俵に登ってしまったのだ。
彼は毎日連絡をくれて、深い仲になったあとも、私を必要としている、好きだ、大事にしたいと言った。
で、3週間ほどの蜜月みたいなやり取りを経て、
二度目にデートしてホテルへ行った時、彼の気持ちを確かめようとした私に、男はあっさり
「これは恋愛ではないし、もう何年も誰のことも好きになっていない」
と、堂々と言い放ったのだった。
私は愕然として、男がその日くれたCDをゴミ箱にぶち込んで帰りたい衝動に駆られたけど、
アーティストに罪はないのでやめた。
厚かましいことに、男はそこから何事もなかったかのように「恋愛モード」から「割り切りセフレモード」にスタンスを鞍替えして、連絡をよこしてきた。
それは昨日まで教会だった場所が、翌日にはなぜか仏具屋として普通に営業しているくらいの違和感だった。
その男が、渓流だかなんだか、まぁ自然に触れ合うのが好きらしく、一時期その美しい緑の画像を毎日送ってきていたから(テレビの放送事故の時みたいに、性的な表現を隠蔽したかったのか)私は彼に「オーガニックヤリチン」というあだ名をつけた。
思うに、
「モデルやりませんか」って街で声をかけられて、信じてついて行って素人企画モノの映像に出演させられる女の子はきっとこんな気分なのだろう。
最初から「そういうビデオに出ませんか」って言われたら、「出ませんね」とか「ギャラによっては出てもいいかな」とかさ、
自尊心を傷つけられることなく考えることができるのに、
「モデル」っていう夢をちらつかされると、嘘だと知った時に気持ちの持って行き場がないし、
何より、それを信じてしまった自分は「お前がモデルになんかなれるわけねーだろ」ってバカにされたようで、ものすごく自分を卑下してしまう。
だからヤリチンだとかヤリマンだとかは別に個人の自由だからいいと思うんだけど、
人を傷つける方法で欲望を満たすのはやめようねと言いたい。
不透明な外交は避けて、爽やかに、公明正大な交渉に臨んでいただきたいんですよ。
ま、それができれば苦労しないって声が聞こえてきそうだけどさ。