今日の夜中、3時少し前。
ばーばの四点杖の音が階下に響き渡り、だんだん近づいてくる。
なんだよ~、と思い下に降りていくと、
「じーじが○○(私)を呼んで来いと言ってる。」
はいはい、またかよ。
じじばばの部屋に行くと、じーじは寝たまま
「下痢した。腹が痛い。」
と、聞き取れないようなか細い声で訴える。
リハパンが汚れて気持ちが悪いのか?と思ってリハパンをずらして見たけど、
汚れてはいない。
きっと、便秘気味だったから、便が出なくて苦しいんだな。
お腹を撫でて、
「寝てたらお腹痛いの治るよ。」
と言って、布団をかけてあげた。
自力では起き上がれなかったので、たぶん本当に腹痛があるのだろう。
やせ細った身体を横たえ、手を宙に向け、
「○○、○○。」
と私の名前を呼ぶ。
隣で寝ているばーばではなく、娘の私の名前を呼ぶ。
こんな姿を見るとね、施設に預けようとは思えないんだよ。
じーじはわかっている。
自分の世話をしてくれているのは、娘の私で、
私がいなければ自分が生きていくことも難しいと。
ただひたすら、お腹が痛いから何とかして欲しいと、私の名前を呼ぶ。
弱ってすがりついてくる父親を、突き放すことなど、到底できない。
そして、自分の身体を酷使し、精神を疲弊させながらも、
在宅介護は続くことになる。
でもね、正直、重い。
すごく、重く感じる。
一人っ子だから、全部一人で受け止めなきゃならなくて、
重く感じても、しんどくても、逃げ出したくても、やめるわけにはいかない。
きっと、施設に預けても、今度は罪悪感で押しつぶされることになるだろう。
案の定、朝になると腹痛は治まり、元気に朝ごはんを食べてデイに出かけた。
今日もなんとか無事に一日が終わりそうです。
はぁ~、もっと淡白な親子関係だったら良かったのに。