結局本日のデイでの「春のお花見ツアー」は、雨の日バージョンの「歴史民族博物館見学と喫茶店でお茶」となったらしい。
しかし、家に帰ってきたじーじの様子がいつもと違う。
何やらしきりにばーばに訴えている。
入れ歯の調子も悪く、もともと何喋ってんだかわからないじーじの言葉が、耳の遠いばーばに聞き取れる訳がない。
耳は正常の私でさえ、何言ってんだかさっぱり理解できない。
で、ばーばは紙とボールペンをじーじに渡し、「何喋っとるかわからんで、あんたの言いたい事、ここに書きゃあ。」
ここ最近、字を書いていないじーじが文字が書けるのか?と思ったが、黙ってみていた。
『何も心配ないが、○○(私の名前)が元気で大学生活をやっとるか、聞いてくれ。』
それを読んだばーばは
「じーじは、まだ○○が大学生だと思っとらっせるわ。もうすぐ五十になるのにね。」
ちょっと怖かったがじーじに聞いてみた。
「目の前にいる私はだ~れ?」
「はぁ、何を言っとる⁈俺の娘の○○に決まっとる。」
普通の会話に聞こえるかもしれないが、普段の二人を知ってる人にとっては驚きだ。
まず、読みづらかったが、じーじはちゃんと漢字交じりで文章が書けた。
目の前の私を自分の娘と認識していた。
ばーばはじーじの書いた文章を読んで、じーじがどんな風に勘違いしているかを的確に読み取った。
私の年齢を覚えていた。(まだ五十じゃないけど、後二年ね)
普段のデイと違う、歴史民族博物館見学と喫茶店ツアーが、二人の脳をここまで刺激するとは。
私の大学での専攻は歴史だった。
実家に帰ってきていた次男は、私と同じ大学に通っている。
じーじが私が大学生だと勘違いする要因はある。
年寄りでも刺激のある生活は必要なんだね。
これからは億劫がらずに、いろんなところに二人を連れて行ってみよう。
でも、まぁ、御多分にもれず、変に覚醒したじーじはこの後、雨戸・玄関の鍵に対するこだわりも復活し、ウロウロし続けました。
こんな私にぽちっと応援を。