『鬱病なんです・・・』○さんの言葉・・から・・

 1年半まえ、ピアノレッスンに通っていた○さんから
 鬱病で治療に通っておられることを
 打ち明けられました。

 声を出すことがよいときいて、
 ご一緒に歌い
 表情が明るくなられ、ピアノも
 弾いて頂くこと時間を重ねました・・・

 発表会のサロンコンサート曲は
 ご自身でショパンプレリュードを選曲されましたが・・

 レッスンのお休みが増えました・・

 勤務先もお休みされることが多いこと、
 なども、お聞きしながら・・時間過ぎていき・・


 
 


 「この曲を弾いています」

3年前そう話され、ピアノレッスン始められました。

 背伸びされた選曲でしたが、ご本人の
 熱い想いが とっても伝わってきたので
 その曲でレッスンを重ねました。

ベートーヴェンのピアノソナタ悲愴の2楽章

 今なら
 彼が なぜこの曲を選ばれたのか、
 魂がそうしたのだと
 よくわかるのですが・・・。

 この「悲愴」ソナタは、
 は短調の重苦しく不安な出だしから始まり、
 激しい終わり方をする第1楽章から、
 すっと、景色が変わり、

 変イ長調Adagio cantabileの第2楽章になります。

 第2楽章の穏やかで、この上ない叙情的メロディの美しさ、
 慰め、は
 心にせまるものがあります。

 ベートーヴェン自身は、聴覚障害に悩まされ、
 自殺をはかるほどの絶望に襲われます。
 
 しかし、苦悩を乗り越え、創作活動は
 最後まで、続けられます。

 その音楽に
 勇気、生きていく喜びを見出す方も多いのは
 その壮絶な人生の賜物だからかと私は想うのですが・・。

 
 ○さんは ずっとベートーヴェンの
 悲愴ソナタの変イ長調Adagio cantabile2楽章を
 弾き続けておられました・・
 
 
 
 久々にお見えになったレッスンで
 退職され、御実家の鳥取に
 帰られることを知りました。
 
 絶句➜私・・
 

 レッスンの最後に
 いつももっている絵本から選んで頂きました。

 選ばれた“だいじょうぶだいじょうぶ”を
 読ませて頂きました。(以下 だいじょうぶだいじょうぶより、)

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 『「だいじょうぶだいじょうぶ」
  それは たいていの病気やけがは
  いつか治るもんだって事でした。

  それは 言葉がわからなくても、心が
  通じることもあるってことでした

  それは このよのなかそんない
  わるいことばかりじゃないってことでした。』・・・・

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 だいじょうぶ だいじょうぶ (ちいさな絵童話りとる)/いとう ひろし

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絵本を大事そうに受け取ってくださり、

 最後の言葉がせめての私の救いになりました・・・

 『実家には 母のピアノがあるので、今日の曲を弾きます。』 

 変イ長調Adagio cantabile 私の大好きなLang・Langの演奏 ベル

およみくださってありごとうございました