私は偽善に満ちている。
醜い感情を笑顔の仮面で隠し、平気で人を欺く。
真心などとうに無くしてしまった。
この胸の内にあるのは、猜疑、欲望、嫉妬、侮蔑、不満だけ。
だが、卑怯で臆病な私は、演じ続ける。
明るくて、優しくて、思いやりに溢れた自分を。
なんと滑稽だろうか。
善意などどこにもありはしないのに。
本当の私は限りなく利己的で、他人に無関心なのだから。
しかし、心の隅でそんな私を否定する声が小さく響く。
他人を大切に思う心も自分にはあるのだと。
身近な人間を愛しいと感じているのだと。
なんと愚かだろうか。
それこそが偽善だというのに。
真に醜くある事をプライドが赦せないだけなのに。
世間からの孤立や常識からの逸脱を恐れているだけなのに。
所詮その程度の人間だと認めなければ。