BE HERO

BE HERO

誰もが誰かのヒーローになれます。
僕はまだルーキーなので修行中です(笑)

Amebaでブログを始めよう!


昨日、大学で第1回さつきセミナーが開催されました!


このセミナーは大学の教授達の努力と協力によって実現した貴重な機会です。

日本の救急医学会を牽引されている先生方が貴重な講義をしてくださいました。





まず坂本哲也先生から救急要請時における口頭指導について講義をいただきました。

119番通報のうち6割以上が救急要請ですが、より重篤な傷病者の救命率を向上させるためには通信指令員の役割が重要です。


救命の連鎖のうち、最初の3項目を市民が行えれば救命率は上がります。

救命の連鎖↓

{A142EC5A-1C45-4E6F-88B5-070623FDD014:01}



これらを実践してもらうためには通信指令員が状況を把握し、いかに口頭指導を上手く行えるかにかかっています。


通報から情報聴取を行い、緊急・重症度を判断することは容易ではありません。

電話口からは当然現場が見えないので、通報者から情報を引き出し、状況を把握しなければなりません。


そのために通信指令員を教育するシステムの構築が始まっており、全国的に実施されています。

モデル教育実証消防本部としては神戸、船橋、佐世保、函館、大船渡などが挙げられます。

教育においては救急業務についての理解と通信指令に関するテキストを使用し、救急救命士と通信指令員の両面の立場から連携した指導を行います。

また、医学的知識の担保のために地域MCに関わる医師の参画も望まれています。


この講義から、通報の段階から救命の介入が必要とされること、チーム医療が教育の段階から始まっていること、市民の協力によって業務が成り立っていることを改めて感じました。

いま必要とされている旬な話題であり、とても勉強になりました。

救急救命士資格を持った通信指令員の需要はこれからますます高まっていくと思います。







次に講義をいただいたのは安心院康彦先生です。

PCECにおける活動を特定行為・処置拡大のテーマで講義していただき、ケースマップを用いて隊活動のデモンストレーションを川越地区消防局、東京消防庁、相模原市消防局の救急隊の方々が実演してくださいました。


救急救命士の処置拡大によって、血糖値測定ならびにブドウ糖投与が可能となったわけですが、意識障害の原因検索において、どのステップで低血糖を疑えるのか、他の可能性の打ち消しをどのような観察で行うのか、指示要請の要領など、大変勉強になりました。

また、低血糖では脳卒中の症候と類似した所見が見られることもあるため、AHAガイドラインを知っておくことも大切です。

内因性ロードアンドゴーの適応かどうか、Hurry but gentlyなのかどうか、生理学的評価と病態の把握が処置と搬送の判断、病院選定において重要なポイントになっています。

意識障害の原因検索には「AIUEOTIPS」などがありますが、早期搬送に囚われて観察を省略してはならないと感じました。最も怖いのは見落としなので、PCECに則って活動を進めていくことが基本だと思います。





最後に講義していただいたのは小菅宇之先生です。

題は「一般市民のAEDの効果の今後の対応策について」と「AED内部データ回収について」でした。



{FE4E14C7-FB6B-4C85-B9ED-9B03ED8AF0A1:01}

{ECB17857-C288-4563-9B9F-16E3BEC107C5:01}




一般的になり、街の至る所で見られるようになったAEDですが、まずその管理状況について言及されていました。


AEDは薬事法で「高度管理医療機器」及び「特定保守管理医療機器」に指定されています。

つまり、適切な管理がなされていないと必要な時に使えないことが起こり得るのです。

例えば、通常繋がっているはずのコネクターが外された状態で保管され、使用するときに気付くことができずに救急隊到着までAEDが使われなかった事例。

また、電池の延命目的に電池を抜いた状態で保管し、使用時に電池を再セットして使用したところ電圧が足りず、除細動ができなかった(電圧不足で充電不能、AEDの蓋が閉まる)事例も紹介されました。


設置にコストがかかることや管理方法を知らないことが原因だと考えられますが、必要なときに使用するためには正しい管理をしておくことが大切です。


そして、PAD(非医療機関でのAEDの使用)において大切なことは、内部データを回収し、データの検証を行い、その結果を市民に対してフィードバックしていく事だと先生は仰っていました。


市民によるBLSは救命率の向上に貢献していますし、より効果を上げていくために市民の方々に「あなたの心肺蘇生が良かったから助かったんですよ。」といったことを伝えたり、救命講習などで教える時にデータからわかったことを参考にしていくことは有用だと思います。

事後検証においてこのようなデータを取り入れることが病院前救急医療の改善において重要なのです。


また、病院で治療を進める上でもAEDのデータが必要なことがあるので(低体温療法の適応など)内部データを回収することは大切なことです。


しかし回収がうまくいかないこともあるようで、設置機関の承諾を得られなかったり、リセットされてデータが残っていないということがあるそうです。


今後の救急医療のためにもみなさんのご協力を賜りたいところであります。


結びに当たって、最新の除細動器が紹介されました。

1つは着用型の除細動器です。
これは普段から着用するもので、不正脈が発生した時に心電図を記録し、VFやPulselessVTが発生したときに除細動を行うものです。歯みがきしているときなどは筋電図を拾ってしまうため、アラームを手動で切る必要があるそうです。


2つ目は今話題のドローンを使ったAEDです。
これは拠点を設けておき、AEDが必要な現場へAEDを搭載したドローンを向かわせ、一早く届けるというものです。日本にはまだありませんが、現在アラスカでは運用が始まっているそうです。
多数傷病者が発生したときなどはAEDが何台も必要な場合がありますし、設置箇所には限りがありますからドローンの運用は良いアイディアだと思います。拠点ごとに管理できますから適切な運用も期待できるでしょう。



今回の講義で、知らなかった最先端の救急医療事情を知ることができ、また救急医療に必要不可欠な知識を得る事ができました。

医療従事者同士での連携、そして市民の方々との連携をとり、よりよい救急医療を行えるよう努めていくことが大切なのだと改めて感じました。


今回のセミナー開催にあたり、主催してくださった東京救急研究会の方々、帝京プレホスピタルケア研究会の方々をはじめ、従事してくださった全ての方々に心から感謝申し上げます。


本当にありがとうございました!