ユキとの恋愛が始まった。

もう体型なんか気にならなかった。・・・2人でいる時は・・・

やはり外を一緒に歩くことには抵抗がある。
男のプライドと言うか・・・何と言うか・・・

そのためデートは基本的にインドアだった。
お互いの家だったり、ラブホで遊んだり・・・

それでも俺は十分に楽しかったし幸せだった。


しかし、幸せな時間は長く続かない・・・


当然ながら(?)ユキは自分の体型にコンプレックスを持っており、
非常にネガティブで自分に全然自信を持っていなかった。


そのせいだろう・・・


徐々に俺を束縛し出した。。。
「何で電話にでないの?」
「何ですぐにメール返してくれないの?」「・・・」

理由は何でも良い
「・・・浮気してないよね?私いつも心配なんだよ・・・」


最初は「愛されているんだな~」と思っていたが・・・
・・・我慢の限界も訪れる・・・


「いい加減にしろよ!!!24時間俺のことを監視しようとするな!電話に出られない時だったあるし、メールの返事が遅くなることもある!そんなんでイチイチ浮気だ何だった面倒くさいんだよ!!!」


正直、「キレる」という状態だ。


直接の原因は覚えていない・・・しかし、俺も我慢の限界だった。


ユキは号泣した
「何で?何で?何で怒るの?私は愛してるから心配してるのに・・・何で?」



俺は家へ帰りユキのことを考えた。

「そもそもデブ嫌いだった俺が何故ユキと付き合っているんだ?」
「あんなに抵抗のあったデブとのSEXを今では普通にしている・・・」
「そもそも、どうしてユキを好きになったんだ?」

何時間も1人で考え込んでいた。。。


そして自分なりの答えを出した。。。


結局
俺は今までデブを女性として見てこなかった。しかし、ユキと出逢えたことで ぽっちゃりした1人の女性として初めて向き合うことができた。
けれど、 ぽっちゃり女性を見下す社会では ぽっちゃり女性と付き合う男は価値の低い人間だという暗黙のルールを信じていた。

そしてユキは暗黙のルールの被害者だった。
ユキの過去の恋愛について直接は知らないが「束縛」は「不安」の象徴であることは間違いなかった。極端とも言えるネガティブな性格が全てを物語っていた。


「本来のユキ」は「付き合う前のユキ」だったのだろう。
俺と付き合い始めたことで「別れ」を恐れるようになり「束縛」した。


ユキの事情・気持ちは理解できる・・・
しかし、ユキの束縛が続けば本気で浮気して最悪の形で別れることにもなりかねない・・・




俺はユキと別れた。。。



ユキを傷付けないようにしながら何回も話をした。
ユキは「別れたくない!!」を繰り返したが俺の気持ちは変わらなかった。ユキのためにも俺のためにもベストだと思ったから。。。




ユキは俺に大事なことを教えてくれた。



ルックスや体型で恋愛相手を選ぶことのバカバカしさ
社会の一般的な価値観の中でプライドを守りながら恋愛するバカバカしさ
恋愛で本当に大切なのは何なのかということも・・・





俺が「ぽっちゃりしか愛せない人間」になった原因を作ったのは
次に付き合った女性 カナだ。

しかし、ユキとの出逢いがなければカナと付き合うこともなかっただろう。。。