愛媛県で17歳の少女が市営団地の押入れの中で亡くなっているのを通報を受けた警察官が発見し、その市営団地に住む36歳の女と数人の少年たちが逮捕された事件。

その事件のニュースがまともに観れませんでした。


どうしても、娘が不登校になりはじめの頃の荒れていた時期を思い出してしまうのです。


あの頃の娘は、私の言うことなど全く聞かず、毎日夜な夜な遊びに出かけて外泊もしょっちゅうで、何度も私があちこち探し回ったりしていました。


同じように学校に行っていない仲間たちと公園でたむろしたり、団地の裏で夜中まで騒いだり、溜まり場になっている家でダラダラと過ごしたりするのが殆どだったのですが、その溜まり場のアパートがこの事件とダブってしまうのです。


毎日数人の少年少女が勝手に出入りし、寝泊りしていたようです。


家に帰りたくない時に泊まったり、数週間泊まり続ける子もいたり。


そちらのお宅のお母さんは事件の女とは全く違い子どもたちに帰ってもらおうと努力はしていたようですが、日中は仕事があるし不登校の息子が勝手にみんなを家に入れてしまうためにどうにもできなかったようです。


一度だけ、娘を探しにそのアパートに行ったことがありました。

ドアごしに中が覗けたんだけど、睨むような視線で私を見る先輩風の少年、全く私になんか無関心で携帯を弄る制服を着た女子中学生、頭がボサボサのままで伸びきったTシャツで寝転がる少年・・・

みんな表情が無いの。

すごくつまらなそうで、無気力で、「もうどうでもいいや」と何もかも捨ててしまっているように見えました。

でも、そこが娘の居場所だったのです。


愛媛の事件は、私にとっては全く他人事ではないのです。
あの頃は、本当に娘の身が心配で心配で、本当に怖かった・・・

今、娘が生きているのは「たまたま」だったと思ってしまいます。


反面、あの居場所がなかったら娘はどうなっていたのかな? とも考えます。


例えば大きな繁華街に出かけていって、一晩泊めてくれる大人を見つけて生きていく少女だっているのですから。


家にいられなくなった時に寝泊りできる場所や、知り合いじゃなくてもとりあえずそばに誰かがいてくれる場所というのは、絶対に必要ですよね。


誰だって、温かい家庭があってそこで寝て、ご飯を食べて、家族と会話することができればそれが一番幸せです。

でもそれが出来ないとしたら、子どもたちはどこに行けばいいの?


愛媛の、あの事件に関わった子どもたちはいったいどんな想いで毎日を生きていたのかな。

親はどんな想いで子どもを手放していたのかな。



悲しい事件がこれ以上おきませんように。

心に蓋をして死んだように生きている子どもたちが一人でも減りますように。