流行りの感染症はいまだにおさまる気配を見せず、半分に減った売上は回復する兆しすら見せない。
友達からは
「だから就職しろと言ったんだ」
と鼻で笑われる毎日を送っている。
高校卒業後、進学したり就職したりする友達を尻目に僕は家業を継ぐべく修行の道を選んだ。
六年前に後を継ぎ、結婚して子供も生まれ、これからという時に感染拡大を予防する為に自粛するように言い渡された。
家業を守る為にSNSアカウントを作成して営業活動を開始したが、厳しい現状は変わらない。
疲弊していく僕を見かねた両親が
「もういいから、辞めなさい」
と言い出した。
十分に頑張ってくれたからと。
それでも
「私は貴方の意思を尊重するわ」
と励ましてくれる妻がいる。
娘は
「パパがお仕事をするところ好き」
と言ってくれる。
彼らがいてくれるから。
逃げずに今日も頑張ろう。