安倍政権が配偶者控除廃止を具体的に検討し始め、

廃止となる気配が濃厚となってきました。


配偶者控除については以前から議論のあったものですが、

実際に廃止されると 私達はどういった影響をうけるのでしょうか?



税金の専門家である税理士の筆者が“配偶者控除廃止”についてお伝えします。

■配偶者控除って?



所得税と住民税の計算をする際、

その個人の事情を考慮して税金を算出する仕組みになっています。

“配偶者控除”はこの個人の事情の一つです。


“収入を得ていない(あるいは少しの収入しかない)配偶者を養っている人”は

養っていない人より大変だから、

その分税金を安くしておきますよ、というものです。


“扶養家族の範囲内だったら、税金が安くすむ”と言われるゆえんです。


具体的には、配偶者が、

収入のない主婦(主夫)や給与年収が103万以下である場合は、

所得税と住民税を計算する時に“配偶者控除38万円”が引けて、

税金が下がります。



■配偶者控除でいったい税金はいくら少なくなるの?


“配偶者控除を受けられる場合”と“受けられない場合”で

税金がどれくらい違うのでしょう?


これは、養っている側の人(配偶者控除を受ける人)の年収によって違うのですが

 給与年収400万以下であれば 所得税率は5%になるので、

1万9,000円の所得税と3万3,000円の住民税(住民税は控除額と税率が違います)の

合計52,000円が受けられない場合と較べて

税金の下がる額です。


もし、年間1,000万円の給料をもらっていたとしたら、

所得税率は20%になるかと思いますので、

所得税7万6,000円と住民税3万3,000円の合計10万9,000円が下がる額です。


年収が高い人ほど恩恵を請けやすいというわけです。

■配偶者控除がダメでも配偶者特別控除がある


配偶者控除が受けることができなくても、

給与年収が141万円以下の場合は配偶者特別控除を受けることができます。

給与年収が104万円になったからといって

、急に上記の例5万2,000円(所得税率5%、所得税+住民税の額)損するというわけではありません。


配偶者の給与年収が105万円未満の場合は、

配偶者特別控除として配偶者控除と同じ控除額が受けられますので

、税金の下がる金額は同じのため、配偶者控除にこだわる必要はありません。

(配偶者ご本人の納税がでることはあります)


配偶者特別控除は、ご主人の年間所得額が1,000万円以下であれば受けることが出来ます。



■配偶者控除がなくなるとどうなるのか?


現在、「扶養の範囲で……」と働き方をセーブし、

給与年収を103万円以下におさえられている方は、

恩恵がなくなり、ご主人の税金が増えます。


“税金が変わらないなら、

社会保険の扶養範囲内の年収130万円まで稼ごう!”と思われるかもしれません。


配偶者控除がなくなることによってご主人の税負担は

103万円を超えても越えなくても同じこと……になるのですが

、給与年収103万円を超えると

ご本人が所得税や住民税を払うことになる可能性もでてきます。



税金のため仕事をセーブしている女性をもっと働かそう!

という考えから、

配偶者控除廃止の議論がなされていますが、

現実的にはただの“増税”ということになりそうです。



税制は、“どういう国にしていきたいか”を考えて、定めていかなければいけないのですが。

(武田美都子)




マママネーといいサイトで書かせて頂いた記事です。

http://mmmedia.jp/2015/05/15/115881/



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