うそをついたお誕生日会・・・① 今度の日曜日

「今度の日曜日僕のお誕生日だよ。」
「それじゃあ、お誕生日会やるんだよね?」
小学校2年生の話だ。私はただもうすぐ誕生日なんだという話をしたつもりでした。
それからそれじゃあ、みんなで遊ぼうよという話になる。当時私の近所に住んでいるこは女の子の方が多く、おしゃめな女の子はすっかり盛り上げてくれてみんなを集めてくれた。

「じゃあ。今度の日曜日に・・・」
するとたくさん集まるもう遠い昔のことだから記憶が薄れているが6~7人集まっただろうか?なんかやけに女の子が多かったのを憶えている。今思うと女の子にもてたのかなあ・・・まあそれについてはここではこれ以上は書かない。

「お誕生日おめでとう!」みんなの手にはプレゼントが用意されている。
なんで?なんでプレゼント持ってくるのよ?

考えて見れば今日○○君のお誕生日会だから遊びに行くんだといえば、だれだって手ぶらでは来ない。当然なにかご馳走になってくるんだからお友達の親も小学校2年生にふさわしくらいのお金をあたえる。

お誕生日おめでとうとマジックで書いてあるつつみがやけにまぶしく憶えている。
       さあ・・・こまった
 

うそをついたお誕生日会・・・② お誕生日会はない

お誕生日のプレゼントを持ってきてただ一緒に遊ぶだけではすまないことだ・・・
びっくりしたのは私の母・・・
「えっ??」
みんながプレゼントを持ってきているのだから当然なにかおもてなしをしなければならない。すぐ母に相談をした。たとえ小学校2年生でもそれくらいはわかっている。
「そんな、急に勝手にお友達呼んでも知らないわよ!!」
母にそういわれたらどうしようもない。
しょんぼりしながらみんなに
「お誕生日会はない。」って話すしかなかった。

 それからこの窮地をどうしたかは覚えていないのだが、はっきり覚えているのは私はとんでもないことしちゃったって、涙をこらえながら謝ったこととそれをみんなは気にしなくっていいよ。って許してくれたことだけは記憶に残っている。その申し訳ないという思いとみんなのやさしさが強すぎてそれ以外は憶えていないのがおもしろいところだ。

 この話の結末は母がそうっとお菓子やケーキなどを買ってきて事なきを得たのではないかと思うがそのあとがぜんぜん記憶にない。母に聞けばわかみんなわかるのだが、いまさら聞くのもなんだから尻切れトンボのお話。

  わかっているのは私の8歳の誕生日は本当につらかったということです。