今日は休肝日。

夜にも読書できる時間をある程度とったので、本日2冊目。



13冊目 


読了日 2011年6月15日


読んだ本 「この子を残して」 永井隆



作者の永井さんは長崎の大学で放射線科の医師をしている。

長年の研究・勤務に加え、戦争で人手が足りなくこっともあり、慢性白血病と診断される。

診断によると余命は3年あまり。


そこへ1945年8月9日長崎に原爆が投下される。

原爆で妻を亡くし、本人も被爆によって急性白血病に罹患する。


まだ幼い子供二人を残して、四季が近づく悔しさ。

自分の専門分野に関わる病気で死ぬことへの思い。

敗戦後の日本の状況、特に子供を残して逝くことから孤児への思い。


本人がクリスチャンであり宗教的な話は多いものの、基本に貫かれているのは子供への大きな愛情である。


父親の子供たちに対する遺言書とも言え、子供達に伝え買ったであろうことが詰め込まれている。


作者の悔しさを考えると、現在の自分を省みて考えさせられる作品である。



作中より


「肉体の苦痛なんて他愛ないものよ。我慢すりゃしのげる。死んだら止まる。」



永井さんに、合掌。