昨日は飲んでたので書けなかったため、今日書くことにした。
最近ハードボイルド作品ばかり読んでいた。
今回もハードボイルド的な要素もあるが、基本は冒険小説のような作品。
10冊目
読了日 2011年6月12日
読んだ本 「乱の王女 愛と哀しみの魔都・上海」 生島治郎
作者の生島さんは戦前の上海生まれ。
敗戦の年に引き揚げるまで当地で過ごしていた。
彼の上海に対する想いは強いらしく、作品も当時の上海を舞台にしたものが散見される。
さて、本作の主人公は日本と中国(ここでは便宜上こう呼ぶことにする。)の混血の青年。
その生い立ちから複雑な心境を胸に秘め、数年ぶりに上海に戻ってくるシーンから始まる。
当時の上海及び世界の情勢にいやおうなく巻き込まれていく主人公。
辛亥革命、魯迅、内山書店、便衣隊、藍衣社・・・
仲間達とともに繰り広げる活劇。
作品のタイトルにある女王とは、有名な川島芳子であり、彼女とのエピソードも描かれているがあくまで主人公は青年である。
生島さんの作品に限らず。当時を舞台にした作品は少なからず読んでいるが、非常に面白い(そう言っては失礼かもしれないが・・・)時代であると思う。
もちろん当時のことについて殆ど知らない方でも、青年たちの繰り広げるアクション活劇として楽しめることは間違いないだろう。