インターン実習を終えて
油谷 典子
医療・福祉分野におけるインターン実習が終了したのは修了式前の9月初旬でした。8期生の中でも早く実習を終えている方でしたが、これまでレポートを作成することも、記録と向き合う時間も、避けている自分を感じていていました。レポートの提出に無意味さを感じているわけではないのですが、燃え尽きたとでもいうのでしょうか、現実と向き合い無力感を感じているというのが当てはまるのかも知れません。
そんな私が、「レポートを提出しよう、完了させたい。」と思ったのは、昨年11月にフランスで開催されたコングレスに参加したことがきっかけでした。今後の活動をどのように実践していくのか、思い描くことは多々あるのに、自身の行動と伴っていないことへの反省心からかもしれません。ソシオエステティシャンとして自己の想いを現実化するために、また今後の活動を円滑に行うためには、日本在住の85名のソシオエステティシャンのみなさんと足並みを揃え、情報共有するための繋がりとして手元にソシオエステティシャンのディプロマが必要であると感じました。動機が不純と感じられるかもしれませんが、今後、よりソシオエステティックを多くの方に届けられるよう、以下にインターン実習の報告をさせていただきます。(文字数535字)
実習で訪問させていただいた施設は5施設で、そのうち福祉施設が3施設、医療施設が2施設でした。
これまで私は看護学生時代に福祉施設で実習をさせていただいた以来、看護資格を取得してから福祉施設や高齢者施設での経験がなかった(苦手意識がありました)ので、①苦手分野を克服すること、②新規開拓を目的に居住地域の施設に実習依頼をしました。施設長からはソシオエステティック導入と実習依頼に向けた初回のプレゼンテーションで、「スタッフと検討してみないことには実習を受け入れられるかわからない、導入は難しいと思う。」といわれました。理由は、少ないスタッフで施設を運営していることや他の分野での実習生(国家資格)も受け入れており、スタッフの負担を増やしたくないという想いからでした。このことから、福祉施設ではスタッフが手薄な施設も多く、実習の受け入れを「困難」と感じられる施設もある中で、人手を割かずにソシオエステティシャンが介入するためにどのように取り組んでいくのが妥当なのか、検討しなければならないと感じました。話は変わりますが、障害者の就業者は収入も少なく、生活保護を受けながら生活している方もいれば、そうでない方もおられます。また、生活保護を受けずに生活されている方は、「生活保護を受けないこと」を目標に日々の関わりを継続しているという話を伺い、自身をケアすることに費用をかけることがなかなかできない障害者にとってソシオエステティックはとても求められていることではないかと感じました。このような状況で、それぞれの社会背景を考慮し、同施設内で平等にケアを提供するための配慮も必要であることが分かりました。障害者の方々の生活背景や施設の状況をよく理解し、慎重に介入していくことが現場では求められています。
医療施設での実習依頼は、看護師経験があることから比較的容易に受け入れていただくことができました。実習を終了した現在もA病院さまでは、月2回のペース(計20名)で無償ではありますがソシオエステティックを提供しています。無償での提供に正直なところ抵抗感もありますが、何よりケアの必要度を感じているので、その状況や理由についてご紹介いたします。
A病院は、全病床数のうち170床の病床が重症心身障害児(者)の診療・養育をしています。私が主に関わらせていただいているのは重症心身障害者の方です。社会的な背景(家族背景)や障害が重症であるために自宅療養が困難な障害者・児が入院しています。家族面会が年に数回の方がいらっしゃったり、その反面毎日面会に来られるご家族がいらっしゃったりと、家族介入も様々です。年齢の幅も広く、65歳以上の高齢者から乳幼児まで入院しています。中には、30年以上入院していらっしゃる方もおられます。
彼らは、障害により手足・手指の拘縮が顕著で、爪が手掌にくいこんでいたり、薬により爪が薄かったり、思春期であれば皮脂の分泌量も多く、また心身共に様々な発達障害をかかえており、ケアの必要度が高い状況と言えます。関わりの中でケアの必要性を私以外にも医療スタッフの皆さんが感じていらっしゃいますが、費用をだれが負担するのか?という点で有償の導入に至っていません。何故なら家族背景が様々な上に、ご本人に同意が得られないケースがほとんどで、また病院からの費用援助は難しいとご返答をいただいているからです。スタッフの方からの信頼も集まり、担当させていただいている患者さん以外のご家族からもケアの依頼がある中で、有償でケアを行う患者さんと無償でケアを行う患者さんがいらっしゃるといった状況になると、公的病院においては不平等さが解決できない限りは、ボランティアとしての介入でなければ導入いただけないのが現状です。
実習を終え、フランスでのコングレスに参加し、様々な医療における学術集会に参加した上で、今後の自分の活動について漸く考えがまとまりました。ソシオエステティックを医療現場で導入していただくことを目標に、またエビデンスを構築するために、わたしが選んだ道は「看護師として就業すること」です。看護師として就業するソシオエステティシャンが、ソシオエステティックの必要性を伝え続けることで、ベッドサイドで癒しの時間とケアの実践を認めていただき、ソシオエステティシャンの需要を高められるよう努めていきたいと考えています。
来月からフィールドが変わります、と前回の記事でもお伝えしておりました。
来月から、看護師として勤務することが決まっています。まだ詳細はこちらでお伝えできませんが、プライベートで交友がある方々には少しずつお伝えしています。
一からのスタートになりますが、
精一杯努めます。
アメブロは今月いっぱいでcloseします。
新たに、サイトやブログ、LINE@の配信も準備中です。興味のある方にお伝えさせてください。
























































