WBC3連覇を狙う日本代表の要ともいえる巨人の坂本と楽天の田中。同じ1988年生まれの2人は、兵庫県伊丹市の少年野球チーム「昆陽里(こやのさと)タイガース」で小学校の6年間を過ごした。2人そろって日の丸のユニホームに袖を通す快挙に、当時チームの理事長だった執行(しぎょう)正昭さん(69)は「同じチームから2人も選ばれるなんて、本当にうれしい」と笑顔を見せる。

 チーム入りは坂本が先。当時は左投げ左打ちだったが、3歳から右投げだった兄のグラブを使ううちに右投げになった。ともに打撃センスがよく、田中は左翼奥にあった校舎の4階にまでボールを当てていた。

 左打ちの坂本は飛距離で負けていたため「負けん気が強いから(引っ張れるように田中と同じ)右にした。それでも3階までしかいかなかった」(執行さん)。

 「坂本はガキ大将気質で練習が終わっても残ってみんなと野球をしていた。田中は早く帰るけど陰で努力していた」と執行さん。主将の坂本が投手、田中が捕手としてバッテリーを組み、何度も優勝を経験。時に遊撃手も務めた坂本は、卒業時に残した作文に「ショートはとても楽しいポジション」と記しており、今のこだわりにも通じる。

 初戦となる2日のブラジル戦をヤフオクドームで観戦する予定の執行さんは「田中は少し心配だけど、頑張ってくれるはずだ。米国までは応援に行けないけど、2人そろって3連覇を果たしてほしい」と最大級のエールを送った。(小川寛太)


産経新聞