倉ー美の日常は恥辱にまみれている。 -16ページ目
去年のクリスマスイブ

父からメールが届く

『メリークリスマス🎁
こちらは、虫歯で、痛み100倍‼
只今、歯医者にて治療待ち既に一時間😓。
ケーキ🍰喰いたい。直ぐ、食わせろ~😓
そんな亜友美はどんなクリスマスかな?www』


なんてPOPなメールなんでしょう。
最後の文なんて、この人あたしが1人で過ごしてるの知ってて入れてきてるからね。
残酷すぎる…

致命傷を喰らった中、命辛々メールを返信


「今日は夜勤明けで今起きたよ。きっとまたすぐに寝て、気づいたらイブなんて終わってんだろーなー
クリスマスなんて知らない!あたし仏教か神道だから!

虫歯の痛みは治まった?あたしも痛くなる前に歯医者いかな。」


あたし、優しい。
なんて親孝行な娘なんでしょう。

すると父、


『虫歯は来年に抜くそうです😓。
今日はケーキ🍰が高いから、明日買うらしい。
どういうこと❗』


。。。知らねーよっ。そこは母に聞いてよ。
なんで、あったかな家族の談話を孤独な娘にわざわざ話してんのさ。

しばらくして母からメール


『メリークリスマス
もうすぐ三十路の年明けですね😌 来年は先を見据えた悔いのない いい年にしてください😃❤💕』


これまたPOPな…
じわっと嫌味の入ったメール。


「いろんな意味を含んだメールやけど、あたしは全てスルーするよ
メリークリスマス」


とだけ返信。だってあたし、すでにHPゼロだからね。


すぐに母から返信が


『早くロンリークリスマスから抜け出せるといいね💔』


うるさいよっ!

続けざまに父から


『ふぁ~いとっ😃💦
亜友美のクリスマスに比べたら、お父さんの歯が痛いクリスマスのがマシやな😍』


だーかーらーっ、うるさいよっ!


そんな愉快な両親に育てられた娘はスクスクと横に育ってます。

きっとこのやり取りは今年の歯医者との格闘を予告するものだったのだろう。



3月…
誕生日というイベントから逃れるために実家に帰る。
同級生のバスケの試合が愛知であるからと応援のお誘い。
行く行く~と乗り気で返事。
イロイロと考えたいことがあり、1人で車で現地へ向かうことにする。
出発前に気付く。あたし何処に向かえばいいのだろう?と。
聞く。
パークなんちゃら小牧ってとこで試合があるらしい。
目的地が決まった。出発しよう。

母に、一台車を貸して欲しいと告げると

いいよーナビない車だけど貸したげる

車に乗り込み出発させようとすると、母がのほほんと家から出てきて

いってらっしゃい!右のワイパー、ゴム取れてて使えないから。雨降らないようよろしくね~


どゆこと?あたしに天気を左右させる力ありませんけど?
あたし、河童かなんか?それとも安倍晴明?
あんた、そんな娘を産んだ記憶ないでしょうよ。
てか、よくそんな車を貸してくれたよね。

複雑な心境で出発。
あたしの心境に反して道中順調。ナビないけど、とりあえず小牧に向かう。青看板のお陰で無事に小牧入りを果たす。

さてと、詳しい場所を調べましょうかね。
目についたコンビニに車を滑り込ませ携帯で検索。

えーっと…パーク…小牧

なんだ、このコンビニの近くじゃん。向かってる最中の友達たちに近くになったら連絡して、と伝え優雅に一服。

しばらくして、もうすぐ着くとの連絡。

さてと、向かいますか。

2分後、携帯のナビが示す場所へ到着する。

そこには、立派な歯医者がある。
その名もパークサイド小牧 デンタルクリニック。

絶対にここでバスケの試合はない。断じてない。

本来の目的地はパークアリーナ小牧。

おしいっ!

1人で笑っちゃったよね。
なかなか合流しない友人に友から電話が入る。
電話に出たあたしは、ただただ笑ってる。困惑する友の声が電話越しに聞こえる。
ほんと、あの時はすみませんでした。この場を借りて謝ります。

そんなこんなで応援を追え帰路につく。
信号待ち中、母からメールが届く。

『帰り、通り雨があるかも☔💓なんとかワイパー使わずに帰ってきてね😍』

無理だよ。
そんな信号交差点の角には、パークサイド小牧デンタルクリニックが、ただ静かに、でも情熱的に母のような眼差しであたしを見つめていた。



あたしと歯医者、両親とのバトルは続く。