始めは、本当にこうなるなんて夢にも思わなくて
君が誰かなんて気にする必要もなかった―――
MMORPG、最近ではそんなに珍しい言葉でもないだろう。
いわゆるネットーゲームといわれるゲームで、インターネットを通じて、
一つのゲーム中で色々な人と共に冒険や、時には戦ったり、殺し合ったりする。
新しく始まるようなネットゲームで廃人といわれるようなプレイをして、
一気にキャラクターを強くして、他人を助けたり、倒したり。
そうやって自己満足を得る。その繰り返しだった。
別にそれが悪いとも思ってないし、所詮ゲームなんだから、楽しければいいし、
最低限の人とのマナーがあるのは当然で、でもやはりインターネットでの人と
のコミュニケーションで感情やらなにやらを出すなんてことも意味がないことだと、
そう思っていた。
ましてや、そんなネットゲームで知り合った人と恋なんて、一番バカバカしい。
簡単に好きなんて言えている人を鼻で笑ってすらいたのかもしれない。
今回もまた、いつもどおりだった。
新しく始まるネットゲーム。いつものハンドルネームでキャラクターを作り、
先陣を切るように、スタートダッシュの波に乗り敵を倒していく。
そしてある程度強くなったら、ギルドやクランと言われるようなものを立ち上げて、やりやすい仲間を集めて。
自分を強くする事、そしてその集まりを大きくする事、それがいつも通り目的だった。
だんだんと人が集まるなか、そこに君は現れた。
会話を盛り上げて、いつまにか会話の中心になれる君をそれこそ評価はしていたものの、
所詮ネットワークでの繋がり、楽しませてくれる仲間の一人にすぎなかった。
何もお互いのことを知らない、知る必要もない。ただ、楽しければ――――
