毎年出ているストリートライブに今年も出た。

商店街が歩行者天国になり、アーケードの下で勝手に演奏して良いという、発表する場を求めているものにとっては大変貴重なイベントだ。しかもタダ。

毎年グループ名を変えて出ているので、スタッフの中の連絡係の人とは顔なじみなのだが、他の人にはあまり認識されていないようだ。

その分気楽でよいけれど。

今年は、ギター2とボーカル1という組み合わせで申し込んだのだが、もう1人のギターが直前に視力回復の手術をして、参加できなくなった。ステージのリハーサルではギターの他に三線も弾いたのだが、これはギターがもう一つある場合なので、いらぬ手間をPAの人にかけてしまった。

さて、ステージまで時間があるので道端で適当にギターや三線を弾いてボーカルと合わせながらウダウダやっていると、道の斜め向かいの辺りからなにやら聞き覚えのある曲が耳に入ってきた。そのグループはウクレレ三線という組み合わせでオキナワポップスをやっていたのだった。もろに我々のセットリストとかぶってしまいオロオロ。

しかもそのボーカルの女性の声が実に聴き心地よい。これはマズイと早速新曲の練習をすることにした。

そのうち、そのグループの人達がやって来ていろいろと話しかけてくる。「一曲やってくださいよ」というリクエストに「いや、人前で演奏するなんて恐れ多くてできない」と言い訳をしてさりげなく何の曲をやるのか聴き出した。方向性が同じだったので、急きょリストを変更することにした。
いよいよ我々の時間になり、初めての曲と昔からやっている曲と2曲を滞りなく演奏する。司会の人には「落ちついた大人の曲でしたね」と我々を傷つけないように考えに考えたであろうやさしいコメントをもらいステージを後にした。
肝心のあのグループの演奏は、かなり後の時間だったので待ちきれずに帰ってしまったのが少々心残りだった。