圭太先輩と別れてから二日後、

秋月さんから、電話がきました。


嬉しいのと同時に、とても苦しくなりました。


秋月さんに、あんな事があったなんて言えなくて。

言ったら、嫌われちゃうんじゃないか、と思って

怖くなりました。



そうやって、色々考えている内に

ピタ、と音が止まり。


しばらくしてから、携帯を開いてみると、留守電が入っていました。



『……もしもし、秋月だけど』


久しぶりに聞く、秋月さんの声に

きゅっ、と胸が痛くなりました。


『しばらく連絡ないから心配になって…その後、大丈夫?』


『大丈夫ならいいんだけど、辛かったら頼って、ね。』



秋月さんの声が、愛しくて愛しくて、

涙が止まらなくなって

気付いたら、秋月さんに電話をかけていました。


家に帰っても、震えが止まりませんでした。


息がうまく出来なくて、何がなんだか分かりませんでした。



苦しくてつらくて悲しくて、

どうしたらいいのか、何をしたらいいのか


とりあえず、早くシャワーに浴びようと思って、お風呂に入りました。


でも、鏡に映った自分の姿に、余計、嫌になって。



首周りや、胸周りや、太ももにキスマークが残してあって、

泣き出したくなるのを堪えようとしたけれど

どうしようもなく涙が出て、しょうがありませんでした。



翌日になっても、跡は赤黒くなるばっかりで

簡単には消えないだろうな、と思いました。


とくに、首まわりは、服を着ても目立ってしまって

泣きたくなりました。

消したくて消したくて、跡だけじゃなくて、あったこと全部をなくしたくて。



しばらくは、家から出れない、と思いました。


秋月さんに会うなんて、もってのほか。



秋月さんに、こんな姿を見られたくないと思うのに

安心したくて、優しくしてほしくて、


会いたいと思ってしまう自分が、憎くて仕方ありませんでした。



※少し、乱暴な表現が含まれるため、苦手な方は見ないで下さい。




先輩は許してくれたんだと、とても安心しました。



でも、


「だから、最後に一回やろうぜ」


私は、一瞬、何を言われたか分からなくて

私が理解する前に、先輩の部屋の中に連れて行かれました。



体が、全く動きませんでした。


逃げたいと思うのに、怖くて、できませんでした。

今でも思い出すと、怖いしつらいです。


助けを呼ぼうとしても、声すら出なくて。



「好きな奴がいる相手と嫌々やるのもいいしな。お前だって、こんなことされて、その好きな奴と会えないだろ?」


こわい、なんとかしなきゃ、

と頭で考えている時に、圭太先輩がそう言っていました。

その時に、涙がでました。


何がなんだか分からなくて。


なんで先輩を好きになったんだろうとか

なんでそんなひどい事いうんだろうとか


それから、秋月さんの優しい声を思い出しました。


死ぬ訳じゃないけれど、走馬灯というか、

秋月さんの顔が、ぱーっと頭の中を通っていって



最中のことは、よく覚えてません。

ずっと、秋月さんのことを思い出していました。

苦しくて、悲しくて、優しくしてくれた秋月さんを思い出してました。



いつの間にか終わって、私は家に帰りました。


どうやって帰って来たかは分からないけれど、

だぶん、最低限の身支度だけは整えて、飛び出して来たんだと思います。