とくに痛感するのが制作前のディレクション。
Web制作会社に勤めてたときは「WebディレクターってWeb制作を面倒にする人でしょ?」って思考だったけど、営業もディレクションもデザインもコーディングも全て自分でやってる今となっては、分業の大切さが身にしみる。
デザイナー脳の自分は「金さえくれれば何でもやるし、何とでもなる」って感じだけど違った。
ディレクターの仕事でもある見積もりによって全てが決まる。
打ち合わせの形式と頻度、ディレクションの介入度、制作工程、サポートなどなど。
あとはお客さんの制御もWebディレクターの役割だって事にも気付かされた。
デザインが出来るデザイナーと、好き放題要望を盛り込むお客さんが、Webディレクターを挟まずに直接ディレクションするとどうなるか?
結果的に、お客さんの要望を全て盛り込む必要のあるデザインをデザイナーがせざるを得なくなる。
つまり、実際の制作コストよりも大変な案件になる。度が過ぎると赤字。
さらには、作ってて全く楽しくないサイトだからストレスが溜まる。愛情が持てない。投げやりになる。時間がかかる。さらに赤字になる。
しまいには、制作実績としても公開できないようなダサいサイトになる。
ここまでくると、いくら腕のいいWebデザイナーでも、完成したサイトはダサいし、機能的にも奇抜なサイトになる。自分のようにスキルのないデザイナーなら目を覆いたくなるクオリティに。
本来ならここでWebディレクターが、お客さんの要望を一度吸収して、総合的に必要か不要かを判断する。そしてお客さんを説得することができる。
いかにシンプルなサイトを設計できるか?
いかに機能的なサイトに仕上げるか?
いかにWebデザイナーが作りやすいサイト構成にするか?
いかに制作のスピードを短縮できるか?
他にも役割はたくさんある。
Webディレクターの大切さを知った今。フリーランスで全て自分1人のWeb屋がやるべき事はひとつ。
ディレクターモードとデザイナーモードを切り替えること。仮想分業モード。
見積もり、サイトマップ、ワイヤーフレームが固まるまでは、デザインしない&デザイナー目線で物事を言わない。
むしろ自分の他にもう1人デザイナーがいるっていうペルソナをたてるといいかも!もしくは、デザインとコーディングは誰かに振るつもりでディレクションをするとか。
小規模なサイトで丸投げしてくれるお客さんなら、はじめからディレクター&デザイナーモードでいいけど、企画構成からこだわりたいってお客さんの場合は仮想分業モードが安定。
臨機応変、柔軟、低価格で対応できるのか個人フリーランスの強みだけど、ある一定のボーダーラインは持っておかないと自滅する。