「君に見せたい景色がある!」
そう言って北海道へ来た。
「荒涼たる海岸が草に覆われている。そこの崖っぷちに野生馬がいるんだ。」
君は、
「私の思い描いていた通りの景色だわ。」
と言った。
君の好きなスコットランドの海岸に似ている景色。
それは「厚岸海岸」のことだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/3e/8d/j/t02200165_0400030013623863228.jpg?caw=800)
海が見えてきた。
しかし、思っていた景色と違う。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/74/b7/j/t02200165_0400030013623864351.jpg?caw=800)
普通の漁港にしか見えない。
橋を渡って、岬の先を目指して走り回った。
岬の先っぽまで行って、ようやく見えてきた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/d3/c6/j/t02200165_0400030013623865389.jpg?caw=800)
そうだ!あそこに違いない。
そう思って、さらに車を走らせた。
通る車も、歩く人もいない、崖の上にたどり着いた。
二人で車を降りて、柵をまたいで、崖の先へ歩き始めた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/a7/cc/j/t02200165_0400030013623866718.jpg?caw=800)
崖を覆っている草は、まだ枯れていた。
遠くには、やや大きめの野生動物の頭蓋骨が見えた。
荒涼たる世界。
崖っぷちには、貧弱な柵がある。
5月にしては冷たい風が吹き荒れ、吹き飛ばされそうだ。
君は道中で買った上着をきちんと着込んだ。
桜を追い越して、冬に戻ったようだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/17/3b/j/t02200165_0400030013623870156.jpg?caw=800)
風に吹き飛ばされないように、一歩一歩、踏みしめながら歩いた。
柵まで来ると、足がすくんだ。
ぼくは、恐る恐る歩いていた。
君は、平気そうにスタスタと崖っぷちまで歩いていく。
「馬は、いないね。」
「夏になったら、放牧されるのかな。」
そんなことを言いながら、歩いていた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/af/a2/j/t02200165_0400030013623871932.jpg?caw=800)
足元のふきのとうだけだ、生命を感じさせてくれた。
車にもどって、もう少し先へ行くと、遊歩道があった。
「あそこに行けば、岬の崖の先端まで歩いて行けそうだよ。」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/02/67/j/t02200165_0400030013624297093.jpg?caw=800)
道路沿いに車を停めて歩き出した。
遊歩道は、絶壁の先まで続いている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/d5/46/j/t02200165_0400030013624298876.jpg?caw=800)
ぼくは、怖がっていたが、
君は、どうしても先端まで行かないと満足できないみたいだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/c2/9b/j/t02200165_0400030013624299953.jpg?caw=800)
岬の先は、海しか見えない。
丸い水平線が見える。
水平線の上を船が通るのだろうか?
二人の影が、見える。
眼の中にある景色の中に、
ぼくと君しかいないんだね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/5b/ac/j/t02200165_0400030013624302663.jpg?caw=800)
地球の上に二人だけしか存在しないような気がした。
崖の上から海を覗き込んだが、
もう何も怖くなかった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/bb/df/j/t02200293_0300040013624310066.jpg?caw=800)
ここに来なければならなかった。
ここが目的地だったんだ。
だけど、ここが出発点になる。
ぼくと君の出発点なんだ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/49/a0/j/t02200293_0300040013624305698.jpg?caw=800)
ここから二人の新しい旅が始まる。
この道を、どこまでも、
二人で一緒に歩いて行こう。
LOOKING FOR JAPAN!
ぼくたちは、やっと何かを見つけたような気がした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/fe/08/j/t02200165_0400030013624310067.jpg?caw=800)
そう言って北海道へ来た。
「荒涼たる海岸が草に覆われている。そこの崖っぷちに野生馬がいるんだ。」
君は、
「私の思い描いていた通りの景色だわ。」
と言った。
君の好きなスコットランドの海岸に似ている景色。
それは「厚岸海岸」のことだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/3e/8d/j/t02200165_0400030013623863228.jpg?caw=800)
海が見えてきた。
しかし、思っていた景色と違う。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/74/b7/j/t02200165_0400030013623864351.jpg?caw=800)
普通の漁港にしか見えない。
橋を渡って、岬の先を目指して走り回った。
岬の先っぽまで行って、ようやく見えてきた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/d3/c6/j/t02200165_0400030013623865389.jpg?caw=800)
そうだ!あそこに違いない。
そう思って、さらに車を走らせた。
通る車も、歩く人もいない、崖の上にたどり着いた。
二人で車を降りて、柵をまたいで、崖の先へ歩き始めた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/a7/cc/j/t02200165_0400030013623866718.jpg?caw=800)
崖を覆っている草は、まだ枯れていた。
遠くには、やや大きめの野生動物の頭蓋骨が見えた。
荒涼たる世界。
崖っぷちには、貧弱な柵がある。
5月にしては冷たい風が吹き荒れ、吹き飛ばされそうだ。
君は道中で買った上着をきちんと着込んだ。
桜を追い越して、冬に戻ったようだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/17/3b/j/t02200165_0400030013623870156.jpg?caw=800)
風に吹き飛ばされないように、一歩一歩、踏みしめながら歩いた。
柵まで来ると、足がすくんだ。
ぼくは、恐る恐る歩いていた。
君は、平気そうにスタスタと崖っぷちまで歩いていく。
「馬は、いないね。」
「夏になったら、放牧されるのかな。」
そんなことを言いながら、歩いていた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/10/looking-for-japan/af/a2/j/t02200165_0400030013623871932.jpg?caw=800)
足元のふきのとうだけだ、生命を感じさせてくれた。
車にもどって、もう少し先へ行くと、遊歩道があった。
「あそこに行けば、岬の崖の先端まで歩いて行けそうだよ。」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/02/67/j/t02200165_0400030013624297093.jpg?caw=800)
道路沿いに車を停めて歩き出した。
遊歩道は、絶壁の先まで続いている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/d5/46/j/t02200165_0400030013624298876.jpg?caw=800)
ぼくは、怖がっていたが、
君は、どうしても先端まで行かないと満足できないみたいだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/c2/9b/j/t02200165_0400030013624299953.jpg?caw=800)
岬の先は、海しか見えない。
丸い水平線が見える。
水平線の上を船が通るのだろうか?
二人の影が、見える。
眼の中にある景色の中に、
ぼくと君しかいないんだね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/5b/ac/j/t02200165_0400030013624302663.jpg?caw=800)
地球の上に二人だけしか存在しないような気がした。
崖の上から海を覗き込んだが、
もう何も怖くなかった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/bb/df/j/t02200293_0300040013624310066.jpg?caw=800)
ここに来なければならなかった。
ここが目的地だったんだ。
だけど、ここが出発点になる。
ぼくと君の出発点なんだ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/49/a0/j/t02200293_0300040013624305698.jpg?caw=800)
ここから二人の新しい旅が始まる。
この道を、どこまでも、
二人で一緒に歩いて行こう。
LOOKING FOR JAPAN!
ぼくたちは、やっと何かを見つけたような気がした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160419/21/looking-for-japan/fe/08/j/t02200165_0400030013624310067.jpg?caw=800)