近年日本で異常な盛り上がりを見せるハロウィン。気付けば世界で一番盛んな国になっていた。今年も渋谷の乱痴気騒ぎがニュースに取り上げられ、街の治安や風紀の乱れを危惧する声が高まったことは記憶に新しい。さて、そんな日本国民の不安を煽る今回のテーマは、ハロウィンは悪魔崇拝が起源?

 

・ハロウィンももともと悪魔崇拝者たちの行う生贄儀式でした。ハロウィンとバアルと秦氏と大正天皇との奇妙なつながり。rapt-neo.com/?p=30573

・島津家と毛利家が日本を支配していることの本当の意味。またはハロウィンが「国常立尊」を召喚するお祭りである可能性について。rapt-neo.com/?p=32979

 

 クリスチャン系(?)陰謀論者RAPTの主張では、ケルト(ドルイド)=バール=国之常立神らしい。

 国之常立神を出口王仁三郎が艮の金神と呼んだので、うしとら→鬼→バールのようなもの→ケルトのケルヌンノスという方程式なのだろう。

まあ、これらはヴァルナがアーキタイプなので悪魔も鬼も全部そうと言える。

(詳しくは過去ブログのあちらこちらに書いてます。)

 ハロウィンの仮装に影響を与えたのは映画の『魔人ドラキュラ』、マイケル・ジャクソンの『スリラー』。日本で認識されたのは意外なことに映画『ET』で、ハロウィンの日に仮装してETを外に連れ出すシーンだったという。

TV番組の解説ではそのように説明されるハロウィンが悪魔崇拝だと言うのなら『オーメン』や『エクソシスト』が真っ先に挙げられてもおかしくないはずだ。

 ハロウィンのルーツは「サウィン」というケルトの祭であることは間違いない。ウィキペディアには、サウィンは悪魔やサタンに相当する「死者の王」のための祝祭だと誤解されたことがあったが、これは土着宗教を悪魔になぞらえようとしたカトリック教会によって広められた誤りである。と書いてある。

 ケルト人の司祭はドルイドと呼ばれる。ドルイドは自然崇拝の一環として生贄の儀式を行う。巨大な人型の檻の中に犠牲に捧げる家畜や人間を閉じ込めたまま焼き殺す「ウィッカーマン」などが有名だ。

 

  

ウィッカーマン(左)魔女の大鍋(右)

 

 また、悪魔と関係が深くハロウィンに欠かせない魔女は、ホウキで空を飛ぶ以外に大鍋で何かをグツグツと煮込んでいるイメージがあるが、ケルトの銀器と言われる「グンデストルップの大釜」に描かれたレリーフが釜茹でにされる人間のように見えなくもない。


グンデストルップの大釜


 ケルトには大釜の伝説がある。それは「ダグザの大釜」のことだ。ダグザとはダーナ神族の長老ともいうべき存在で、豊穣と再生を司る。そしてダーナ神族四秘宝の一つにして無限の食料庫である大釜を所持している。

 

 この大釜は、アイルランドのアラン諸島に嵐の晩にだけ姿を現わすという幻の島ムリアスに伝わるものらしい。グリム童話の「おいしいおかゆ」の元ネタだそうだ。あの聖杯伝説も、じつはケルトの大釜が元ネタだと思われる。キリストの血を受けた聖杯は不死のアイテム。すなわち、大釜は無尽蔵の食べ物を出す=永遠の生命を得るということなのだ。
 

 グンデストルップの大釜をよく見ると、兵士が並び釜に入れられ再び騎馬に乗った兵士に再生しているようにも見える。クリスマスが冬至に催され、太陽の死と復活を象徴しているように、ハロウィンも太陽活動の衰えと冬の季節の始まりに設定されていて、大釜は死人を再生させるゲートの役割を担っている。

キリスト教にとって死者の復活は神だけが行えるから、それ以外はゾンビと見なしているのかもしれない。

 ハロウィンはゾンビ天国であるが、オリジナルのゾンビはハイチのヴードゥー教に伝わるもので、催眠術で人を操る操心術のことである。仮死状態にされ動く→死人が生き返ると話が膨らんだ結果そうなった。
 

 食人についてはヴードゥーと関係がなく、おそらくインドのカーリーにまつわる伝承が元になっている。『インディ・ジョーンズ〜魔宮の迷宮』に出てくるサギー教団は実在の秘密結社で、人間を殺してカーリーに捧げていた。カーリーの侍女ダーキニーは人肉を食べる魔女とされる。

 

 
カーリーと荼枳尼天

 ダーキニーは荼枳尼天として日本で稲荷と習合。キツネは化けて出るの由来は死肉を食べると考えられていたからだ。だから日本でハロウィンをやるなら稲荷神社が仕切ればよいのだ。牛に見立てた軽トラを鬼門の方角に転がせば日本のハロウィンは完璧!

 さて、ケルトの祭がなぜ川崎で火がついたのだろう?

 パレードの主力となるのはオカマさんである。川崎のカナマラ祭でもオカマさんは主力となるが、「オカマ」の語源は「大釜」である。そう、ケルトの大釜とオカマのシンクレティズムが川崎で実現したのだ。
オカマと言っても、川崎はゲイタウンというような話は聞かないので、レインボーフラッグは関係なさそうである。

 カワハロは1997年地元のチッタ(映画館)がスタートさせたイベントなので、当初はカルト映画ファンの集まりだったと思われる。とくに毎年上映されている『ロッキーホラーショー』は、観客が仮装して楽しむ映画である。
城主フランク・フルターはオカマの中のオカマであり、宴の後、殺害される。
 

 なるほど、悪魔崇拝とはロッキーホラーピクチャーショーのことを言っていたのだ!カニバリズムのシーンもあるし!

 


映画『ロッキーホラーショー』


 古代ケルト人は字をもっていなかったから、ケルト人の側からどうだったかというのを説明したものがない。だからローマとか周辺にいた民族の記録上でしか実情を窺い知ることしかできないし、それもかなり想像によるところが大きい。
 カトリックが諸聖人の日をわざわざハロウィンの翌日にもってきて異教の祭を潰そうとしたか、教化するためにあえて異教の風習を取り入れたかは意見が分かれるところだが、どちらにせよハロウィンは純粋なケルト文化とは言えないものになってしまっている。
キリスト教が、さんざん着色しといて、これは悪魔崇拝だー!って、お前が言うな!
ということなのだ。
悪魔崇拝を連呼し過ぎはかえってサタニックマインドを世に蔓延らせることになりかねないので、クリスチャンの皆様は注意したほうがよいだろう。

 ちなみに、イングランド南部では17世紀以降、11月5日(火薬陰謀事件の記念日)のガイフォークスナイトに置き換わりハロウィンは廃れたらしい。

 

ガイフォークスのマスクを被ったアノニマス

 

 「ガイフォークスナイト」は人形を町中引きずり回した挙句に焼き捨てる祭らしい。関連フォトを見る限り、どう見てもガイフォークスナイトの方がハロウィンよりもサタニックである。十字架を燃やした松明で行進する姿はサバトのワンシーンのようだ。フォークスの処刑は悪魔崇拝の儀式より酷かったという。

 

 

ガイフォークスナイトの光景

 

 祭りとは不謹慎なものである。

 ハロウィンも不謹慎さに箔をつけるために悪魔のボンファイアを燃やそうではないか!ΑΩ