アセンションは終末思想の一形態として近年においても繰り返し主張されてきた。 比較的記憶に新しいのはフォトン・ベルトによる次元上昇説だろう。 


 科学者のポール・オット・ヘッセが、1961年にプレアデス星団を観測中に、黄金の光に満ちたフォトンベルトを最初に発見したとされているが、ニューエイジ・ムーブメントとよばれる精神運動の端を発しており、科学的な信憑性は疑問視されている。しかし、真実とすればあまりにも衝撃が大きいので真実であっても隠されているともいうことである。国際時事講演を行っている宇野正美は、フォトンベルト実在説にたっている。
 その説によると、円盤の端に位置する太陽系は、アルシオーネを中心に2万6000年の周期で回転している。回転する円盤に90度の角度でドーナツ状のフォトンベルトがあり、2000年づつフオトンベルトという強力な電磁波の帯を太陽系が通過する。つまり、1万1000年、フォトンベルト通過2000年、1万1000年、フォトンベルト通過2000年合計2万6000年の周期である。
 太陽系が強力なフォトンベルトに入るのが、2012年12月21日となる。フォトンベルトにはいると、ちょうど地球が電子レンジの中にはいったようになり、強力な電磁波を浴びることになり、普通の状態ではおられない。
 フォトンベルトの接近が、地球温暖化や異常な豪雨や干ばつ、巨大台風などの異常気象、巨大地震の本当の原因である。また地球磁場が異常に減少し、ついには磁場が消滅して、自転が停止するかもしれない危機にも遭遇しているという。磁場が消滅すると、宇宙の放射能などが降ってきて、人類をはじめ、動植物は壊滅的な打撃をうける。南極と北極が逆転するポールシフトも現実のものとなる。
 前回、フォトンベルトに入ったのが、ちょうど半周の周期にあたる1万2000年前になり、地球に大変動をもたらした。つまり、伝説のアトランティス、ムー大陸が陥没した時期にあたるのである。
 また、電子機器のすべてが停止し、数日(3日程度)暗闇の中で過ごし、その後は、強力な電磁波の中、人類も物質も半物質化するという。言葉を換えれば、フォトンは、光子を意味し地球は次元の違う光溢れる世界になることになる。ショーマン・キーシャの預言などもそれにあたるが、2012年12月21日には起きなかった。

 

(高校生のための歴史教室より引用)

http://feb27.sakura.ne.jp/episode25.html 

 

 フォトン・ベルトはマヤ暦が終わる2012年に突入するとされ、スピリチュアル界ではそれなりに盛り上がったネタではあった。 しかし、よくよくこの図を見てみると、プレアデス星団のアルシオーネを中心に太陽系が回っているのだが、そのような事実はない。

 

「太陽系はアルシオーネを中心に2万6000年の周期で回転している。」 「地軸が23.5度傾いているので、地軸の歳差により2万6000年周期で、北極を示す星が変わる。」 どちらも2万6000年。 正しいのは後者だが、この数字にこそ、フォトンベルトの真相が隠されている。

 

・太陽系が銀河系を一周するのに要する時間=銀河年は2億2600万年。 

・歳差で春分点が黄道を一周する時間=プラトン年は約2万6000年。 

 

 さて、お分かりいただけただろうか?

 

 精神世界のビリーバーは銀河年とプラトン年を混同してしまった。いや、混同せざるを得ない理由があった。

プラトン年は占星術のベーシックな概念で、春分点が12宮をおよそ2000年で移動していく。そして新しい時代=アクエリアス時代の到来で地球に大変革が起こるというのだ。 このアクエリアス時代こそ地球がフォトンに包まれる時代に合致するとされたのだ。

 

 さらにマヤ暦の終わりとも一致。 ノストラダムスは嘘だったが、2012年はマジやばい!とのたまうビリーバーも続出した。だが しかし、、、フォトンベルトはガセだった。 

いや、ガセどころか、フォトンベルトを遥かに超える宇宙の真相が明らかになってきたのだ!

 

 地球はフォトンベルトを通過していない。フォトンベルトが存在しないのだから当然だ。 その代わりに、あるものを通過中。 それは「オリオン・アーム」! 

 

 

 銀河系はグルグルの渦巻きで、中心から伸びた触手状の部分がスパイラル・アームで、そのひとつがオリオン・アームなのだ。(オリオン座の方角にあるのでそう呼ばれる)

 

 地球は1.35億年の周期で銀河系のらせん状の腕を通過する。オリオンアームの次に通過する腕はペルセウス・アーム。アームを通過すると、侵入してきた星間ガスによって、太陽光がさえぎられ、地球は寒冷化に見舞われる。 今がまさにそう。温暖化とか騒いでいるが、恐竜が生きていた時代は南極に氷すらなかった。白亜紀はちょうど1.35億年前でオリオンアームに入る前だったので温暖だったのだろう。氷河期に突入した約4500万年前にアームインしたと考えると、次のペルセウスの腕まで、あと9000万年かかる。 

 

 フォトンベルトに入ると電子レンジの中に入ったような状態で温暖化どころではないらしいが、実際はオリオンアームで寒冷化していたという真逆の事態だったことになる。しかし1.35億年間ずっと寒冷化しているわけではないのだろうから、星間ガスの効果が薄れてきて温暖化しているのかもしれない。 そうだとすると、CO2削減をいくら頑張ってみても、宇宙が相手なのだから勝ち目がない。

 

 地球上では、過去に少なくとも5回の大きな氷河時代があった。 1.35億年ごとにスパイラルアームにぶつかる計算だと、46億歳の地球に訪れる氷河時代は5回どころでは済まされない。 10万年周期で厳しい氷期と緩やかな間氷期を繰り返すので、それを含めると今度は多過ぎる。そもそも太陽の公転スピードが一定ではないだろうし、ミランコビッチ・サイクルが絡んでくると、そう簡単に解は出ないのだ。

 

 ミランコビッチ・サイクルには離心率・地軸の傾き・歳差の3つの要素がある。 

 ①太陽を周る地球の楕円軌道の形が約10万年周期で変化。 

 ②地球の地軸の傾きは約21.5度から24.5度の間を4.1万年周期で変化。

 ③地球の自転軸の向きは、公転しながら1.8万から2.3万年周期で変化。

 

 ミランコビッチだけでも地球の環境に様々な影響を与えているだろうが、この周期も太陽や月などの影響を受け変化する。 月の引力による海水の干満作用が海水と海底の摩擦をおこし、地球の自転速度を減速させたりするからだ。

 20億年前は1日20時間なので、周期は現在とは異なることになる。プラネットX的な存在があるとさらに手がつけられない。

 

 フォトンベルトもそうしたプラネットX的存在ではあったし、惑星ニビルも根強い人気を保っている。ただし、それだけ至近距離に迫る可能性のある何かが、観測できない理由がないという点で否定できる。

しかし、ドーナツ型のフォトンベルトを通過するのに2000年も、オリオンアームを通過するのに1.35億年も、スケールは違えど似たような構造である。スパイラルアームによる気候変動は今のところ、まだ実証されていない仮説に過ぎないが、オカルト的な与太話も最新科学も50歩100歩といったところではないだろうか。

 

 こういうマクロな話をしていると、うん千万年レベルの誤差が平気で出てくる。それに比べて人類の歴史は一瞬の出来事(宙2秒)でしかない。 そのさらにナノ・セカンドのことを書いて話題になっている『日本国紀』の「誤差」をいちいち気にする暇があるならば、空を見上げてコスモを感じたいと僕なんかは思う。