みなさんお元気ですかーー!!!

 

私は、家族が新型コロナウイルス陽性反応が出て、頭痛の日々を過ごしておりました!!

発熱外来でゾコーバをいただいてきました!

 

日本ではあまり有名ではありませんが、海外ではLongCOVID患者に対するゾコーバの臨床試験が始まっているようです!

私が診てもらったお医者さんもそのことを知っていたので(大学病院のような大きなところではない)、SNSとは別個に、おそらく医師の間での独自の研究網ができあがってきているのでしょうね。

個人的にも、SNSの情報は「最先端」ではなくなってきているなーと感じています!

 

さて、またもや岡山大学病院の論文集です!

今回は、ワクチンの問題!

 

LongCOVIDを抱える人の中でも、ワクチンを打ったことがある人もいると思います。

ワクチンには、効果があることを指摘した論文があったり、むしろワクチン接種後症候群とよばれる有害事象のほうを強調したりと、色々な動きがありますが、

この記事では、シンプルな臨床報告を紹介したいと思います

 

 

それでは早速、

岡山大学病院の助教授を務め、

数多くの論文も執筆している德増一樹(とくます かずき)氏を筆頭著者とした論文「SARS-CoV-2ワクチン接種後に発現した持続的症状の特徴: ワクチン接種関連有害事象の専門クリニックにおける観察的レトロスペクティヴ研究」(Characteristics of Persistent Symptoms Manifested after SARS-CoV-2 Vaccination: An Observational Retrospective Study in a Specialized Clinic for Vaccination-Related Adverse Events)(2023年10月)を見ていきましょう!!

 

 

[患者の特徴]

 

この論文では、ワクチン接種後に症状が持続した計121人の分析が行われています

男女比は、男性44人(36.4%)と女性77人(63.6%)だったようです

 

・・・え、、、めちゃくちゃたくさんの患者さんいらっしゃってるやん!! 

多い!! 

私は、特にワクチンの問題は、論文レベルでの議論が不可欠だと思っています。

どれだけ声を上げても勢いだけで変わるものではない。

冷静に沈着に、原因と解決策、今後の改善方法を考えるべきなのです。

 

その意味で、岡山大学病院のお仕事は本当にすごいと思います。

そして、ぜひ多くの人に知ってほしい。

こんなに地道にがんばっている先生方がいらっしゃる。

 

心が温かくなりますね。。

 

 

[頻度の高かった症例]

 

他にもいくつか挙げられているのですが、

10%を超える患者さんが訴えた症状に限定して、代表的な症例を4つだけ紹介します。

 

1.感覚障害(34例、28.1%)、

2.全身倦怠感(30例、24.8%)、

3.発熱・微熱(21例、17.4%)、

4.頭痛(21例、17.4%)、

 

ちなみに、感覚障害では、片側上肢(unilateral upper limb)が最も頻繁な障害領域だったようです。(腕が痛いとか、しびれるとかなんでしょうかね。)

 

それ以外の症状が気になる人は、下の[参考文献]から論文に飛んでみてください!!

 

 

うーん、感覚障害や全身疲労は全体の4分の1の患者さんで起こっているんですねぇ~。。

個人的には、LongCOVIDの症状とワクチン接種後の症状の違いと類似、に興味あります!

これからもっと多くの論文を紹介していくなかで、そういった問題についても詳しく分析出来たらよいなと思っています!!!

 

 

[年齢による症状の違い]

 

・感覚障害は40-59歳で最も多かった。

・20-39歳では全身倦怠感、発熱・微熱、頭痛が最も多かった。

・脱力感、吐き気/嘔吐、発疹、関節痛の患者数は40〜59歳の年齢層で高かったが、患者数はかなり少なかった。

 

このあたりは、もっと多くの論文も含めて、より総合的な判断を行うべきなのでしょう。

 

 

[症状の発現時期]

 

個人的には、この箇所が一番驚いたというか、初めて知る情報が多くて大変勉強になりました。

もしかすると皆さんの中にもそういう方がいるかもしれないと思い、論文の文章を引用してみます。

 

ワクチン接種後の反応性症状の発現時期を図5に示す。ほとんどの症状はワクチン接種後1時間から1週間の間に発症した。最も頻度の高かった感覚障害と全身倦怠感の持続症状の発現時期は、接種後12時間から1週間であり、感覚障害を訴える患者はすべてその期間内に発現した。関節痛や胸部不快感は接種後2週間以上経過してから発症した症例もあった。 [1]

 

この箇所についても、「この論文では」という留保をつけつつも、

ワクチン接種後の持続症状が発生する場合、おおむね1週間以内に症状が発現していることがわかります。

 

著者らも指摘しているように、ワクチンを打ってある程度時間が経過してから症状が発生する場合もあるのでしょう。

 

しかし、原因不明の体調不良を抱えている人がこの記事をたまたま見つけて読んでくれたとして、もしその症状がワクチン接種から1週間以内に症状が発現しているのであれば、ワクチンの影響を考えて治療を始める必要もあるのかもしれません

 

こういった情報を客観的に提示してくれる著者の徳増先生らに、改めて感謝申し上げますm(__)m

 

 

[症状の持続期間]

 

この論文によれば、

おおむね多くの症状は6カ月以上持続したと言います。

感覚障害、全身倦怠感、発熱・微熱、頭痛、脱力感、発疹、関節痛、腹痛、咽頭痛、掻痒等々の症状が6ヶ月以上持続したということです。

 

一目でわかるグラフでもまとめられておりますので、興味のある方は原論文の「図6」をみて見て下さい。

 

 

[重篤な症例6例の紹介]

 

この論文の最後には、重篤な症例が6例紹介されています。

 

1.ME/CFS

2.サルコイドーシス(※原因不明の全身性肉芽腫性疾患 参考;厚生労働省資料

3.無菌性髄膜炎(※一般的な細菌検査で髄液から細菌を検出せず、細菌性髄膜炎と同様の症状を呈する炎症  参考;東京都感染症情報センター

4.抗アクアポリン4抗体が陽性の視神経脊髄炎(参考;NCNP病院、多発性硬化症・視神経脊髄炎

5.腱の癒着

6.特発性の血小板減少症(ITP)

 

自分に近い症例が論文で紹介されていれば、それを頼りにして適切な医療につながることができる可能性も増えるかもしれません

興味がある方は、ぜひ原論文で症例をみて見て下さい!!

勇気づけられることすらあると思います!!

 

 

それでは、まったねーー!!!!( ^)o(^ )

 

 

 

[参考文献]

[1] Tokumasu K, Fujita-Yamashita M, Sunada N, Sakurada Y, Yamamoto K, Nakano Y, Matsuda Y, Otsuka Y, Hasegawa T, Hagiya H, Honda H, Otsuka F. Characteristics of Persistent Symptoms Manifested after SARS-CoV-2 Vaccination: An Observational Retrospective Study in a Specialized Clinic for Vaccination-Related Adverse Events. Vaccines (Basel). 2023 Oct 30;11(11):1661.