頭の奥で覚えていること。
 
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マイ・フェイバリット

誰が何と言おうとイスが好きなんである。

初めて沖縄に行ったのは家族旅行だった。
何週間も前から旅行ガイド誌を読みまくり、まだ小さかった子供達のために「旅のしおり」まで作った。
初日の何時に着いて、そこから何時に何処そこに行って、ホテルはこんな感じでお土産屋さんがこんな感じでと、
あらゆる情報と道程をしおりにまとめた。

俺的には最高に楽しい旅だった。

一番楽しかったのは海でもなく、食事でもなく、一軒の家具屋だった。
そこは駐留している米軍の家庭から買ってきた中古家具をリサイクルして売っている店で、
58号沿いの宜野湾辺りにあったと思う。
店の中はアメリカ製の中古家具が所狭しと並んでおり、どれも目移りするものばかり。
妻はローボードを選び、俺はソファをひとつ選んだ。
サーモンピンクのどっしりとしたいかにもアメリカ製という感じのシングルソファ。

メーカーはどこかわからないがそんなことはどうでもいい。

とにかくすわり心地が良くて、大層気に入った逸品だった。

値段は確か1万円くらいだったと記憶している。
大阪までの送料込みで15000円くらいだったかな?

家に帰ってからも、いつ届くのかドキドキして待ち焦がれていた。

そのソファが我が家を訪れたのは我々家族が帰阪してから
1週間後くらいだった。

仕事の合間に、寝る前に俺はソファに掛けて好きな本を読み、好きな音楽を聴いたりしていた。

ある日、ソファクッションを掃除しようろ取り外すと、1ペニーコインが隙間に挟まっているのを発見した。
それが何か判らないけど嬉しくて暫く大事にとっていたりした。

そんなある日、仕事で海外に出かけていた俺が、久しぶりに帰宅すると
家の庭にソファが出されていた。
「きっと妻が日光に当ててくれているのだろう」と思ったのだが、実際は違っていた。

その庭に置かれたソファに触れてみると濡れているではないか。
いやいや濡れているどころではない。
ジュクジュクのドボドボになっている。
おまけに何か臭い。

「お~い、あれどういうこと?」
帰るなり妻に聞くと、
「ああ、あれな、ネコがオシッコしたから捨てるねん」
というではないか。

「えっ、えっ?」
うろたえる俺を見て妻は
「あれ大きくて邪魔やったしな~」
と答える。
「そ、そうなん?」
知らなかった。
妻はあのソファがず~っと気に入らなかったらしい。

思えば、昔に買ったゴルフセットも玄関が狭くなるという理由で
萌えないゴミの日に出されていたのだ。

しまった。忘れていた。
妻はモノを躊躇わずに捨てられる人なのだ。
特に気に入らないものはソッコーで捨てる。

今、俺はまた新しいソファが欲しいな~とか思っている。
沖縄の家具屋のホームページで見つけたのだ。
これもかなり大きなソファだ。

買うがどうか、今真剣に悩んでいる。



尾崎さん

大学を出てから勤めた会社に尾崎さんという上司がいた。
尾崎さんは非常に仕事熱心な人で妥協は許さない。
尾崎さんの仕事はいわゆるディレクター業に当てはまる。
数人のスタッフに仕事を振り、それをチェックし、管理する。

ところでこの尾崎さんには口癖というか、病気なのかもしれないが、
会話の合間に「ウエッ!」とゲップのような音を出す。
さながら例えるなら、往年の漫才師鳳啓介さんの「エッ」に近いものが在る。

入社当時、僕はこの尾崎さんに何かと反発していた。
23歳という若さもあったのだろう、仕事面でも
「こんなおっさんに言われたないわ」
という気持ちでいっぱいだった。

それでも人間関係とは不思議なもので、
同じチームの人たちと一緒に飲みに行ったり、食事に行ったり
しているうちに尾崎さんの面白い一面も二面も見えてきてすっかり仲良しになっていった。

仲良しになった決定的な出来事は尾崎さんと一緒に行ったビリヤードだった。
中学生の頃からビリヤードをやってきた僕にとって、こんなおっさんに遅れをとるわけにはいかなかった。
尾崎さんが連れて行ってくれたビリヤード場は大阪の都島というところにある
古ぼけた場末の玉突き屋さんだった。
店内には8台ほどのプールがあり、スラックスにベスト姿の店員が3名ほどいる昔ながらの玉突き屋だった。

そこでまず驚いたのは、尾崎さんは若い頃ビリヤードで食っていたという事実をしったことだ。
お店のマスターに聞いたところ、20代の尾崎さんは今で言うフリーターだったらしく、
収入はもっぱら賭けビリヤードだったらしい。
僕の尾崎さんを見る目がその日から変わった。

僕はその後、部署の移動やなんやかやで尾崎さんとは離れていったが、
尾崎さんは相変わらず破天荒でいてまじめな仕事人だったようだ。

あれから10数年。
先週、当時の取引先の人に偶然に梅田駅であった。
その人から聞いたのだが、尾崎さんはその後、会社の方針(人員削減などの縮小傾向)に大反発し、
「自分の部下を路頭に迷わすことはできない」
と会社に対して抗議をいれ、結果解雇になったとのこと。
僕は「尾崎さん相変わらず元気そうですねー」
と言ったら、その人が、
「いや、尾崎さん去年の夏に亡くなったで」とのこと。
血友病が原因らしい。

尾崎さんの死の抗議も会社には通じなかったようだ。

尾崎さん、その節は大変お世話になりました。
そちらの世界でも相変わらず、破天荒な尾崎さんでいてください。
ご冥福をお祈りします。





M-1 ヤラセ疑惑? 

実は私、数年前まで芸能界に居ました。
演者の方でなく、裏方側ですけどね。

関西に在る最大手事務所ではなく、2番目の事務所です。

昔っから(子供の頃から)Y興業ではなく、S芸能が大好きで、
今でも働いてたときに仲良かった芸人が出演している番組はチェックしてます。

Amebaニュースで読んだんだけど、「M-1グランプリ」に出来レース疑惑が
出てきているようですね。

う~ん、私が思うに、あれは出来レースではないと思います。
少なくとも決勝までは。

なんていうか、ミスコンみたいに審査が簡単ではない。ということ。

視聴者は若干勘違いしてるかもしれんけど、
あれは「単に面白いコンビ」が勝ち進んでいくものではないと思います。

「感性」「技術」「ネタ」「構成」それぞれにどこまでの実力が育ってきているか、
そういうものではないだろうか?

はっきり言って、M-1で顔を見てない若手の中にも
人気もあって、ネタもめっちゃおもろい奴らはゴロゴロ居てるしね。
でも最近のM-1に関して言えば、少し面白くなくなってきてる感はあるよね。

もし、出来レースならば、
第1回の中川家はそうかもしれない・・・。

確かに面白いし、センスもあります。
でもあのタイミングはどうなんやろね。

まあ、ひとつ言えるのは、
審査員にも問題あるんと違うかな?
紳助さん、松本さんはともかく、
それ以外の審査員にはたまに疑問を感じるけどね。

でも漫才レースでM-1は画期的なことやとは思う。
イベント的にも素晴らしいと思うし、
あのレースが出来て若手のモチベーションは上がってきたのは
確かやしね。

まあ、出来レースかどうかはともかく、
視聴者は黙ってネタ見て笑とったらええねん。
演者よりむしろ、ファンの方が問題多いと思う。

いちいち文句とか言いすぎ。
漫才とは何たるかを知りもせんと薀蓄は一人前やし。
工学系の専門的なこととかやったら自分には知識も技術もないから
その道の若手技術者に対しては何にも言えないけど、
漫才とかには自分にセンスや技術がなくても言いたいこと言う。
めっちゃ卑怯やん。

もしかしたらM-1はあと数回で終わるかもしれへんよね。
でも、それは出来レースやとかじゃなくて、
視聴者やファンの人のせいで終わるんやと俺は思うね。