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涙腺が緩いわけではない。とおもうのだが、本を読むと割とすぐに泣いてしまう。
映画も然り。音楽を聴いても何かの加減で泣くことがある。(倍音か?)
機会が多いこともあり、本を読んでは頻繁に泣いている。
だいたいは夜中に。こっそりと。
ハリーポッターを読んでも泣く。バリー・ユアグローの短編を読んでは泣く。
小馬鹿にしながらも、「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいな恋愛小説でも泣く。
読んでいないけれど、「恋空」は間違いなく号泣するだろう。
涙は血液を原料としてつくられた分泌液なので、
出来得ることなら、上質な文章を読んで涙を流したいものだ。
今年も残すところあとわずか。
2010年、最も涙を絞りとってくれたのは、この一冊。

マイケル・カニンガム著 『めぐりあう時間たち』
ヴァージニア・ウルフ
ロンドン郊外。1923年。
文学史上の傑作『ダロウェイ夫人』を書き始めようとする…
ローラ
ロサンジェルス。1949年。
『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦。夫の誕生パーティを計画し、息子とケーキを作り始める…
クラリッサ
ニューヨーク。20世紀の終わり。
『ダロウェイ夫人』と同じ名ゆえに元恋人リチャードにミセス・ダロウェイと呼ばれる編集者。文学賞を取った彼のためにパーティを開こうと、花を買いに行く…
三人の女性が、時間も、場所もない交差点で通り過ぎる。
お互いの存在に気づくこともないまま。けれど、確かに影響しあいながら。
普遍的な悲しみを抱え、人生を、幸せを、問い続ける。
その視線の先を考えさせ、
集合的無意識の形而上的な顕現を想起させる。
素晴らしいストーリー。繊細で印象的な文体。
完璧に美しい一冊。
日本版のカバー絵はミレイの『オフィーリア』。
シェークスピアが手掛けた悲劇『ハムレット』の一場面である。

入水したヴァージニア・ウルフの情景に重なる。
カバーは絵の左手にクローズアップして切り取られている。
ヴァージニア・ウルフは享年59歳。オフィーリアはおそらく少女とよんでいい年頃。
にもかかわらず、この透明な左手は私のなかで、もはやウルフのものになる。
余談だが、漱石もミレイの『オフィーリア』に強い印象をうけたようだ。
『草枕』で何度かオフィーリアについて言及している。
…長くなるので割愛。
この絵もまた、時を越えて意識の流れにのり、影響をあたえ続けている。
関連書籍:
『ダロウェイ夫人』 ヴァージニア・ウルフ
『ハムレット』 ウィリアム・シェイクスピア
『草枕』 夏目漱石
映画も然り。音楽を聴いても何かの加減で泣くことがある。(倍音か?)
機会が多いこともあり、本を読んでは頻繁に泣いている。
だいたいは夜中に。こっそりと。
ハリーポッターを読んでも泣く。バリー・ユアグローの短編を読んでは泣く。
小馬鹿にしながらも、「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいな恋愛小説でも泣く。
読んでいないけれど、「恋空」は間違いなく号泣するだろう。
涙は血液を原料としてつくられた分泌液なので、
出来得ることなら、上質な文章を読んで涙を流したいものだ。
今年も残すところあとわずか。
2010年、最も涙を絞りとってくれたのは、この一冊。

マイケル・カニンガム著 『めぐりあう時間たち』
ヴァージニア・ウルフ
ロンドン郊外。1923年。
文学史上の傑作『ダロウェイ夫人』を書き始めようとする…
ローラ
ロサンジェルス。1949年。
『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦。夫の誕生パーティを計画し、息子とケーキを作り始める…
クラリッサ
ニューヨーク。20世紀の終わり。
『ダロウェイ夫人』と同じ名ゆえに元恋人リチャードにミセス・ダロウェイと呼ばれる編集者。文学賞を取った彼のためにパーティを開こうと、花を買いに行く…
三人の女性が、時間も、場所もない交差点で通り過ぎる。
お互いの存在に気づくこともないまま。けれど、確かに影響しあいながら。
普遍的な悲しみを抱え、人生を、幸せを、問い続ける。
その視線の先を考えさせ、
集合的無意識の形而上的な顕現を想起させる。
素晴らしいストーリー。繊細で印象的な文体。
完璧に美しい一冊。
日本版のカバー絵はミレイの『オフィーリア』。
シェークスピアが手掛けた悲劇『ハムレット』の一場面である。

入水したヴァージニア・ウルフの情景に重なる。
カバーは絵の左手にクローズアップして切り取られている。
ヴァージニア・ウルフは享年59歳。オフィーリアはおそらく少女とよんでいい年頃。
にもかかわらず、この透明な左手は私のなかで、もはやウルフのものになる。
余談だが、漱石もミレイの『オフィーリア』に強い印象をうけたようだ。
『草枕』で何度かオフィーリアについて言及している。
…長くなるので割愛。
この絵もまた、時を越えて意識の流れにのり、影響をあたえ続けている。
関連書籍:
『ダロウェイ夫人』 ヴァージニア・ウルフ
『ハムレット』 ウィリアム・シェイクスピア
『草枕』 夏目漱石











