ある医師の独白

ある医師の独白

あくまで匿名記事なので、信用しないで下さいね。

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開業準備はすこぶる順調。

 

連日建築関係と数社の機器関係のメーカーと打ち合わせ。

 

手術や診療も忙しい上に、病棟でも責任ある立場になったので、昼間はそれなりに忙しい。

 

さらに研究関係で大量の研究課題の倫理委員会への提出や、データはもう出ていて書くだけの論文のが、大量に溜まっている。

 

最近は研究倫理についての審査が常軌を逸した、もはや哲学の世界に足を突っ込み始めた面倒臭さ。

 

いや、研究課題書いてグラントが取れるなら頑張って書くけど、倫理的にどうかとか、法令でどうかとか、一応後で突っ込まれちゃ困るから(誰も突っ込まねぇよっ!!!!)一応書いて、とか、もう頭湧いてますよ。

 

あと半年も経たずに大学を辞めるので、各部門の小役人達に言いたい放題言っている。

 

僕はコレが誰からも言ってくれない母校へのメーッセージで、私の後に先々のことまでを考えてくれているコメントはないだろう、という仮定のもとに敢えて言っている。

 

「こんな書式必要ありませんよね」

「オタクの事情で勝手に変えたシステムと書式を、なんで医者が手打ちでデーターベースに入れ込まなきゃいけないんですか?」

「アンタの言うとおりにやると、とんでもないデータベースを洗わねばならなくなるよね。」

とりあえず受け付けの女の子を責める。

 

そうしていると担当のトップの教授が出てくる。

「これはやってもらわないと必ずけない書類なんです」

「そりゃ納得できず先生も気分を害されたかもしれませんが、我々の仕事を減らしてもらうためにも、先生にはちゃんと書いて頂けねばならないのです。」

 

てめぇ時給3万のドクター捕まえて、中卒のアルバイトでもできるような、紙を電子媒体に起こす仕事を、やらせるってどうようことよ?

 

時給3万払ってくれれば、みんな事務方もやりますよね~。

 

ちなみに米国では研究を発案する人、研究計画を立てる人、グラントを取る人、臨床委員会への書類を作り交渉する人、計画の遂行をチェックする人、定期的な活動報告を出す人、研究にかかった費用を管理する人、全てプロフェッショナルの専門職員がいるのだ。

 

日本はコレを、よりによって医師が(責任を全部負うからという理由で)、全部に医者に投げる。

 

バカだし、普通に考えて一日中オペかクレーマー患者の相手で真剣バトルで手一杯のパニック状態なのが医者だから、無理に決まってます。

 

ちゃんとパラメディカル以上に事務方は、それなりの仕事をしろよ!!!

 

 

 

 

 

 

私の持病は「双極性障害2型」。

 

1型はいわゆる「躁鬱病」。

 

見てると乙葉はガチの1型に見える。

 

躁の時には派手に人を攻撃したり、俺様最高だったり、信徒や従業員へ大きな夢のような話であちこちと商談したりするので、ヘリコプターを買っちゃう。

 

未来への投資だから…って、ちょっと投資しすぎ。

 

Bipolar Disorder type 2は、1型よりもかなりマイルド(僕はこっち!!!)

 

基本は鬱が前面に立つことが多い。

 

でも時々軽躁状態が入ってきて、その際の仕事の速さやクォリティは半端でないだめ、社会では比較的高いポジションにいることが多い。

 

Bipolar 2型はじゃんじゃん仕事は進む時が、(最近では)年の2/3だが、残りの年の1/3はやや欝気味で、今がそう。

 

まぁでも親友たちには、むしろ変動があるbipolarとは皆に信じられず、むしろいつもテンション一緒、という総評。

 

ってな訳で、今は多少調子の悪いとき。

 

時間があれば職場でも横になるようにして、なるべく早く帰って夕食前からゴロゴロ寝ちゃう。

 

とは言え明日のように朝から晩まで、オペを2個こなして、そのまま医局の宴会に出かけなけりゃいけない日もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなかんだで、今はちょっと休む時。

 

なるべく睡眠時間を昼も夜も贖い取るべき時期。

 

いろんな先生からのアドバイスのお陰で、鬱の時も軽躁の時も、多少方が分かってきてる。

 

鬱の時は寝るべく無理せず、睡眠時間を増やし、軽躁の時は逆に無理に仕事を夜中まで頑張ったりせず、適度なところで抑えることが、鬱のphaseの歳の落ち込みを押させることができるということ。

 

これからも際限なく付き合っていかねばならない病気。

 

そのうち上手く付き合えるようになるかしらん♪

 

 

勤務医が開業を考える時。

 

それはサラリーマンが脱サラして、ベンチャーを立ち上げるようなものか。

 

でも医師のような特殊な徒弟制度の中では、また特殊なのかもしれない。

 

 

 

僕は今の科の医師としては比較的実績があるため、論文や学会活動+臨床を考慮すれば、チャンスさえあればどこかの教授を狙えるポジションだ。

 

ガチの文系から理転どころか医転した僕からすると、このままとりあえず行けるとこまで行ってみるか、という気概は若い頃からあった。

 

アメリカに長期間留学し、帰国して国立の医療センターで科長としてメスを振るいながら、自分のラボを持ち文科省からのグラントも取得し、満を持してかつての上司から国立大学に呼ばれた。

 

でも教授に近い学術的な実績を持っている人間に対し、医局員、特に上級医は嫉妬の念を燃やしてくる。

 

自分としてはたくさん研究はしているのでむしろオペをやりたいところだが、僕にオペまで上手くなられては、他の上級医の立場がなくなる。

 

そんな訳であんまり面白くもないオペしか回してもらえない。

 

たまにはやってもいいかと思うような手術があっても、その手術レベルが後輩に合っているなら、後輩にやらせて指導に回る。

 

自分でやるより後輩に指導する方が、はるかに疲れるんだよね。

 

で、僕にとって本当に勉強になるような手術は、数カ月に1回しか回ってこない。

 

 

 

昔は臨床できない医師が教授になったりすることはよくあったが、今はそういう訳にもいかない。

 

じゃあじゃんじゃんオペを増やすように指示してしまうと、今度は間違いなく研究時間を減らされる。

 

そしてそのうちだんだん上に上がってくると、様々な委員会や係やいろんな研究のアレンジでいろんな会議や打合せに出なければならず、しかも事務方(=小役人)全く協力の態度を見せないどころか、全力で逃げようとするし責任を逃れようとする。

 

今の病院の赤字経営に対して、経営改善策や新たな診療報酬追加をアナウンスしたところで、私企業ではなくあくまでもローテーションでたまたま当院にいるだけの事務系職員には、全く響かない。

 

自分の病院という帰属意識はゼロ。

 

 

 

直接僕が辞めようと思ったのは、あまりに医学部の研究者の数が少ないので、他の私立大学でよくやられているように、理工学部系の学生を医学研究にリクルートする方法を、大学に聞いてみた。

 

そうしたシステムが他大学同様本学にもあるか?という内容だが、それに対して事務方は「ありません」と答えるべきだったのだが、「一応理工学部の上の先生に回してみます」

 

  → 理工学部教授「なんて失礼な奴だ。理工学部の学生は理工学部の教授が指導するに決まっている。(あれ、オタクのラボの学生2人、ウチのラボで面倒見てますけど・・・?)これは本学全体の意識の問題なので、副学長に上げてよくけん責してもらうべきだ。」

 

  → 副学長「どーでもいいんじゃね?縄張り争いの問題?」

 

うちのラボとコラボしているラボの教授だったが、向こうの教授の鳴り物入りで始まった当科との協同プロジェウトだが、予想通りの結果が出て論文ができてものの、IF=0.5と強烈にインパクトの低い雑誌に決まり、うちの教授が「ココらへんまでIFが低い雑誌なんてもう知らねえよ…」と嘆いていた。

 

 

 

この事件でとりあえず大した内容でもないのに、副学長まで話が一気に駆け上がったことで、なんかこの大学病院という巨大組織で、まともに研究生活をすることの難しさを痛感した。

 

とりあえずはうちの教授は騒ぎを沈めるために僕の悪口をあちこちで吹聴して、なんとか波風を立てないようにしてくれたようだが、僕はこの大組織の中でいろんなお偉さんの機嫌を伺いながらの研究生活に、嫌気が差してしまった。

 

僕はとにかく研究者の人数を増やしたかった(数人いるが私を手伝える能力ややる気のあるやつがいない)だけなのでが、これからも多忙な臨床生活の間で年に100万位の文科省のグラント(厚労省のグラントは取れなくなった)を取りつつ、誰の手助けもないまま研究や臨床を続ける気力が完全に萎えた。

 

10~30万の金を薬屋に頭を下げて書類書きまくってもらったり、新たなネタを探し回って、根拠のない絵空事で文科省から年に100万もらうために、普段からどれだけ大学で虐げられなければならないのか、

 

 

 

開業すれば100万の研究費なんて経費で簡単に落ちるし、何よりも臨床検査技師という名の実験補助員を雇えることだ。

 

自分の代わりに実験してくれる人がいる。

 

細胞株の継代して、ラボの掃除やゴミ捨てしてもらうだけでも十分な上に、エコーや採血もしてもらえて、さらに時間が空いていれば受付もやってもらえる。

 

そんな訳で現在はラボの設計中。

 

 

 

そこら辺が研究絡みでの、僕の不満と開業理由。

 

臨床面でも、最近の薬漬けにして毎月通わせるという、医療が気に食わない。

 

医師「変わりないですか」

患者「はい」

医師「じゃ、同じ薬出しときますね」

患者「ありがとうございます」

 

いや、日本語としておかしいだろ?

 

「変わらない」なら、症状改善を目指して別の薬に替えなきゃダメだろう。

 

逆の意味の「悪くなっていない」という意味ならば、逆に薬を減らして本当に合うべき量(実は飲み続けなければ体調維持できない薬はそう多くない)を模索するべきである。

 

また開業医でも積極的に局所麻酔で可能な限り、地域で疾患を治していく必要がある。

 

全麻は総合病院でないとダメだが、局麻や麻酔さえいらない細胞診・針生検は開業医で積極的に行うべきである。

 

最近の若い医者は、年長の患者やお母さんに不信感をにいただかれることを極端に恐れ、間血的な処置をほとんどしたがらない。

 

顕微鏡や内視鏡を使わない、自分の眼と腕で治せる技量が全く無く、またそもそもお喋りができない局麻手術の経験も度胸もないのが現状であるため、血が出る処置は全て大病院へ、という時代になってきている。

 

安全対策と言われれば聞こえはいいが、送られた側とすれば「どうしてそっちでやらない!!」って感じだろうな。

 

やれるところまではきっちりやりたい。

 

あと僕の偏見だが、何年も薬を飲み続けなければならい病気と言うものは、そうそう無い。

 

多くは誤診によるもので、「(ホントは効いてないけど)なんとなくいいみたい」でいつまでもダラダラと続いているもの。

 

ビタミン剤をずっと飲んで、何か変わるほうがおかしいだろう。

 

「飲まないと具合が悪くなるんだ」と抵抗する患者には、「決してそういう薬じゃないからね」。

 

とどめに「だから所詮、気のせいなんでしょう」。

 

これで「そっかあ」と理解した人はそこで完治、「どうしてもメチコバールは飲んでいたい」という人には、「そういう」先生に紹介状を書いてあげましょう。

 

 

 

あとはどんな季節でも「水」は最高の薬だと思っている。

 

水素水じゃないよ(笑)

 

冬場の乾燥した時期、夏の熱中症になりやすい暑い時期、脳梗塞・心筋梗塞のリスクが高い人には、眠前のコップ一杯の水を飲むことは、実に様々な病気の予防や治療になる。

 

しかし現実問題特に男性は前立腺肥大があること多く、夜間の頻尿を抑えるために夜~眠前の水分摂取を控えてしまうことが多い。

 

多少睡眠の質が落ちても、眠前の飲水を勧め、さらにそれで夜中にトイレに起きるようなら、帰りにさらに一杯の水を飲むことを勧めている。

 

夜間の脱水を予防することは、早朝に多い循環器系トラブルを予防する効果が高いのだ。

 

 

 

ちょっと話が横道にそれたが、自分は自分で自分の仕事のマネジメントができない、大学幹部の仕事に嫌気が差した。

 

グラントをどんなに頑張って取ろうとしても、年に100万程度。

 

これなら自腹で十分稼げるし、開業すれば経費で落ちる。

 

誰の指図も受けること無く、自分のペースで臨床と研究ができる。

 

患者はたくさん来るので、症例数の多さは大学よりも困ることがない。

 

開院前からIRBを組織するが、大学よりはシステムは煩雑化しない。

 

開院当初から十二分の実験機器を揃えるが、足りない高度分析装置は大学が(お金さえ出せば)喜んで貸してくれる。

 

そういう訳で誰にも批判されない、自分らしい臨床と研究をしたいのだ。

 

 

 

 

あちこちからのofferもおおいが…。

 

 

この仕事、特に大学病院勤務だと、臨床業務以外の研究・教育、さらにくだらん不毛な会議の連続と、とにかく多忙を極める。

 

患者相手の診療だけでも十分に消耗するに値する仕事だが、プラスアルファの大学ならではの仕事がまたさらに僕を消耗させる。

 

実験・研究はまだそれなりの楽しさがあるが、全くやる気のない学生相手の講義や実習、試験監督、採点、そして大量の事務系の書類作り・・・。

 

平日昼・夕はとにかく営業時間内に片付けなければならない仕事に追われ(小役人達は午後5時きっかりに帰ってしまうため)、夜9時過ぎて、あるいは週末になってやっと落ち着いて仕事ができるという有様。

 

独身なら時間潰しになるだろうが、家族がいると家族を犠牲にせざるを得ない羽目になる。

 

もううんざりではあるが、全てを両立するためにはトップギアでずっと突っ走らねばならない。

 

しかしまともな神経を持っていれば、それがいつまでも続く訳がない。

 

 

 

いつかは必ず力尽きる訳で、倒れたり、もう全部(患者を除く)が嫌になって投げ出したりしたことが、2-3回ある。

 

プロ意識に欠けると言われればそれまでだけど、時々楽な一般病院(最前線の急性期市中病院でも大学より楽)に異動されればいいものの、僕はそういうポジションではないので、一層疲れや焦燥感が募る。

 

昇進すればするほど下っ端ワークにプラスアルファが加わるだけで、決して楽にならない。

 

患者の採血や点滴の刺し替えなんて研修医がやればいいじゃないかと思うんだけど、近頃の研修医は「自分忙しいんでやっといて下さぁ~い♪」と、倍働いている上司に平気で言えるし、午後7時には「お疲れ様~っす♫」「お先でぇ~っす♬」と帰っていく。

 

いや、お前が昼間に投げた仕事のせいで、俺の帰りが遅くなってるんだろ…。

 

そんな訳で3ヶ月ぐらい動けなくなって寝込んだこともあるし、大学所属の唯一のメリットである学会参加の際には、とにかく呑んで発散しつつ、肉体と精神を休ませるようにしている。

 

今もそう♡

 

「近頃の若者は・・・」なんて言い出すと、時代の流れに付いていけない老人の典型的な姿だ。

 

でも社会の変遷がゆっくりだった江戸時代やそれ以前からも、どんな時代でも老人は若者にそう苦言していたらしいが(笑)

 

社会の変化が目まぐるしい現代社会は、それこそ各10年毎の世代で世代間の断絶を来すほど、価値観が変化していく。

 

 

 

僕の今の勤務先は大学病院なので、特に職務上学生や若い医師の教育を任されることも多い。

 

そうするともう二回り違う学生達を相手にすることになるし、研修医もそれに近い年齢。

 

そして彼らの言動を見ていると、我々が医学生や研修医だった頃と比べると、教官・指導医に対する敬意・畏れ(恐れ)が全く無くなっている気がする。

 

僕は昔、文系の学部にも一時期所属したことがあるが、当時から文系の教官は全然敬われていなかった(笑)

 

まぁ文系の教授の権力なんてたかが知れてるし、学生側も結局はコミュニケーション能力とマネジメント能力だけを武器に今後社会を渡っていくので、文系の大学教育にも限界があることは、教官・学生双方暗黙の了解だった。

 

一方医学部は職業訓練学校である。

 

学生時代の教官は、就職後もよく顔を合わせ、仕事内容に大きく関わる機会もある。

 

教授ともなれば他科へ進んでも依然大きな影響力を及ぼしてくる。

 

仮に遠く離れた別の大学医局に入局したにしても、学会に出席すると思いっきり絡まれたりすることもある。

 

そんな訳で僕の医学生時代・研修医時代には、指導教官達・上級医達に失礼な言動はご法度だった。

 

これは人材の流動性を促す新研修医制度になっても同じことで、日本全国と言えどもやはり狭い社会で人間関係はつながっていくので(特に非常事態・ピンチの時には)、少なくとも上級医には粗相のないようにするのが普通だった。

 

 

 

そう、最近は違う。

 

どこも人が足りないことには変わりないので、学生にしろ研修医にしろ売り手市場であるということも大きく関係しているのかもしれないが、上級医師達が若い医学生や研修医を勧誘したがっていることに調子を良くしているのかもしれない。

 

とにかく直接ではないが、要は「サボっていいですか?」「サボらせて下さい」という内容のことを、平気で口にするのだ。

 

僕らが学生時代だったら、その発言自体で処分の対象になっただろうし、少なくともそう言われた上級医は、ぶっ飛ばさんばかりに激怒して叱り飛ばしたはずだ。

 

しかし医師不足の現在、そんなことをしたらネット上で「あの科は怖い先生がいるからやめた方がいい」、「こんな体育会系な大学よりも、もっと洗練された大学や病院へ研修に行こう」ということになってしまい、各科や大学の不利益になりかねない。

 

ウチでも「なるべく学生には優しく」という指示がボスから行き渡り、むしろ学生を持ち上げ接待する日々。

 

これではまともな医者が育つはずもなく、しかもどうせ接待攻勢したところで、都心にあって有名でオシャレで給料のいい病院や大学に、学生や研修医は流れていく。

 

まぁそうやって目先の利益で就職先をチョイスすると、5年後にはちゃんとやっている人と比べて、明らかに経験でも給与面でも大きな差が付いてしまうんだが。

 

ちなみに医師の給料は経験にかかわらず、都心に近づくほど安くなり、地方と都会で3倍程度の差がある。

 

逆にかかる生活費は逆なのにね。

 

ちなみに僕は手取りで時給3万以下の仕事は受けないし、基本ウチの医局は半日で10万以上を原則提示している。

 

 

 

ちょっと横道に逸れたが、学生達がサボる名目のために言うのが、「国家試験の勉強をさせて下さい」。

 

それも国家試験の1年以上前から。

 

多くの人がご存知であろうが、医学生にとっては医師国家試験は決して難関ではない。

 

普通の大学なら合格率90%以上。

 

もちろん相当アレな一部の私立大学の場合は50%切ったりすることもあるようだが、他の趣味を優先したり諦めたりしない限り、医師を目指す一人の人として普通に勉強していれば、よほど運が悪くない限り、あるいは分厚い成書を1ページ目から順に読んでいくような要領の悪い勉強方法をしない限り、合格できるようにできている。

 

だからつい最近までは、6年生の後半になって勉強し出すもので(強者はギリギリまで趣味も続けるが)、一年以上前から国家試験の自主勉強を理由に、卒業に必修の実習をサボろうなんて、心には思っていても上級医に口に出して言うなんてあり得なかった。

 

まぁこれには一つの原因もあって、医学生向けの受験産業の興隆が一つ。

 

医学生向けの国家試験対策の塾というのは、従来開業医の息子が私立大学を卒業しても国家試験に合格できない場合のための、浪人生向け予備校的な存在だった。

 

でも最近では欲を出してきているのか、現役の学生達にも塾が攻勢をかけている。

 

不安感と集団心理を巧みに操って、金を巻き上げる。

 

卒業試験に合格して卒業見込みな時点で、普通は国家試験に合格する学力があるのだが、不安を煽る、煽る。

 

なるべく多くのクラスメートがDVD講座に申し込むと安くなるシステムを採用し、そうすると「誰はどこまで見終わった」だのでまた不安を煽り、「Dr. ●●のDVDは国家試験問題を的中させた」と乗り遅れるな感を演出。

 

そもそも学習参考書だって山のようにあるのに、DVD見ただけで勉強になるのかよ(笑)

 

しかも国家試験の出題範囲に、かすりもしない内容のDVDは普通作らないぞwww

 

 

 

そして受験産業の思う壺にはまり、紙上の受験テクニックだけが育ち、逆に患者と向き合う実習や研修を平然と拒否する。

 

医者になったら国家試験で勉強した知識はほとんど必要なくなる。

 

完全にコミュニケーション能力が勝負の世界だ。

 

昔からこの世界でよく言われるように、医学部の学生時代の成績と、医者になってからの実力は反比例する。

 

一時期「医局解体」の名の下に改悪された研修制度が、今度は医局できちんと(医師として以前に人としての)基礎から勉強するように、研修制度がまた元に戻されつつのは、そういった事情もあるのだろう。

 

大組織なら、マスコミから世論を巻き込んだ大スキャンダルの経験は、どこだってあるに違いない。

 

ウチの病院もかつてそういうことがあったし、今もその影響を引きずっている。

 

マスコミが言うことは常に正しいとは限らないということは、世論もよく分かっている。

 

しかしマスコミの報道に役所だけでなく、一般市民により構成される世論まで動くということは、その問題が非常に常識から逸脱した、そして根深いものであるからであろう。

 

こういうスキャンダルが起きた場合、これもまたよく言われるように、初期対応がその後の明暗を分ける。

 

ただしその元となる問題が非常に根深い場合、組織はまず小手先、口先だけで追求をかわそうとしがちである。

 

だが裏社会とつながっているよっぽど黒い組織でない限り、必ず内部の問題意識を抱いている人々が有形無形の形で問題を告発し、真相にメスが入っていくのである。

 

これを組織の自浄作用といい、特にpublicな要素の強い組織は内部告発する人を保護する務めがあると、表向きには明文化されているが…。

 

 

 

ウチの病院のスキャンダルは、明らかに職員ほぼ全員が以前からヤバイと確信していた問題が、もう防ぎきれなくなってダムの決壊のようにマスコミに流れたものだった。

 

ウチも初期対応を過ったクチで、当初「我々も被害者なんです」位のことを言って、炎上した。

 

でも職員がみんな知ってた明らかな組織ぐるみのスキャンダル、公にならないはずがなく、ほどなく真相が表に出て、病院は大損害を被った。

 

関係者を甘く処分した後、取って付けたような「再発防止策」を提示するも、結局世論は受け入れず。

 

もう事件からはかなり時間が経っているものの、結局この問題を病院が引きずっている大きな原因は、事件を起こした当事者達が全く反省していないことと、未だ上層部が「マスコミの格好のネタにされた」という被害者意識のみが残っていることであろう。

 

今でも上層部の先生に限って、「事件を起こしたあの先生は、いい先生だったのにマスコミに追求されてかわいそう」「いつも患者のために遅くまで仕事する仕事熱心な先生だった」とかばう。

 

いや、夜中まで奔走していたのは、自分のミスを挽回・隠蔽するためだった訳で(笑)

 

そうやって今でも上辺だけの火消しが続いている。

 

「これ以上組織に不利になるような発言・発信をするな」という連絡が、各方面から回ってくる。

 

あるニュースがあっても、病院にとってfavorableな面しか流さず、同じニュースの否定的な面は流さない。

 

僕なんか近く辞めて独立する身だから好き放題言えるのだが、やはりすがるものがこの組織しかない人達にとっては、僕の存在はウザいだろうな。

 

ボスからは独立後の報復をチラつかされた。

 

 

 

で、巡り巡って自分が開業した後に、自分のクリニックが同じような目に遭ったらどうするか?

 

でもまず組織に守れてる感が無いだろうから、今の病院の非人道的かつ確信的な組織ぐるみの犯罪ってのは、いくらなんでも起こり得ないだろう。

 

でも出る杭は必ず打たれるこの日本の社会。

 

やるからには、少なくとも打たれるほど「出る杭」にはなりたい。

 

そのためには「打たれる」前提で事を進ませねばならない。

 

戦いはこれからだ。

 

 

特に若い芸能人のがん治療についてのニュースが、よく耳に入る。

 

がんになる確率が一番低いのは20歳代、その後は増える一方で、40歳を越えれば別に珍しい病気ではない。

 

がんの治療には「標準治療」という、学会などで広く承認され、この進行度についてはこの治療法が一番がんを制御できる確率が高い、という治療が確立されている。

 

あちこちから非難の声が上がっているKO大学のK藤先生のような、目まぐるしく変わる標準治療を知らない狂った医師を除けば、普通のまともな感覚をもった医師なら、がん患者が来ればまず標準治療を勧める。

 

もし社会で発言力のある有名人・芸能人が患者として現れた場合、絶対に治さねばならないし後から文句を言われることのないように、それこそ最も治る可能性の高い標準治療を強く勧めることになる。

 

しかし残念なことにそういうセレブリティーほど「標準」治療を嫌い、セレブにふさわしい特別な治療を要求してくる。

 

そりゃあ、イワシの頭を拝むのも広義の一つの治療法ではあるから、標準治療から外れれば外れるほど、治癒から遠ざかる結果になる。

 

現在は情報過多の時代なので、芸能人に限らず一般に若いがん患者はネットで調べて、インチキ業者の楽チンで治らない治療を希望してくる。

 

患者のためを思い一生懸命標準治療を勧めるも、「自分の信じた治療を受けたい」。

 

残念ながらそういう人達が戻ってくるのも早い。

 

騙されて数十万、数百万円のお金を取られた挙句に、全く効果なく病変が進行し、時には全身に転移してから、再訪する。

 

「先生、最初に受診した時に、手術すれば治る可能性が高いって言いましたよね? 手術して下さい!!」

 

こんな短期に進行する病気で1年近く放っておいて、もう完全に手遅れで有効な治療法もなく、敗戦処理確定。

 

しかし我々一般勤務医は、インチキ免疫療法クリニックと違って「金の切れ目は縁の切れ目」という訳には行かず、最期を看取ることになる。

 

「最初に先生の言うことを聞いていればよかった」と言われると、最初に説得できなかった自分の無力感に苛まれると共に、夢物語を語ってがん患者を食い物にする自由診療の悪徳医療機関を恨めしく思う。

 

みんなの知ってるあの人も、あの人も、そうやって標準治療を受けるチャンスを自ら放棄して、鬼籍に入っていくんだよ。

今は某国で行われている国際学会に、発表を兼ねて参加している。

 

国際学会に行けるぐらいなんだから、大学病院勤務だ。

 

でもウチの医局でまともに研究活動している人は少なく、大学院生を除くと僕一人だ。

 

他の医師と同じ臨床のduty、すなわち外来と病棟受け持ち患者、外勤をこなしつつ、家庭もありながら平日深夜と週末に実験・研究をしている。

 

夏休みや年末年始も、妻子の理解を得つつ(子供は寂しがっているが)、半分は実験で研究室にこもっている。

 

部下や大学院生も含め誰も実験を手伝ってくれる(手伝える)人も、いないので・・・。

 

そしてその成果を論文や学会発表という形で、医局の名で世界に発信している。

 

大学なんだからそれが普通だし、むしろそれをしてない方が職務怠慢だろう。

 

しかも研究している分、臨床の負担を減らしてもらっているわけではないのだから、ますます不公平感が募る。

 

しかし自分が医局の中でどんな扱いをされているかというと、「学会ばっかり行って遊んでやがって」。

 

いや、むしろ学会に行ってない奴の方が「遊んでやがって」だろ?

 

しかも最近は自分のポジションも上がってきて、自分で参加したい(演題発表したい)学会を選ぶのではなく、シンポジストや教育講演を頼まれて出向くことが半分以上である。

 

さらには巨大学会の大会場での千人規模のシンポジウムを座長/モレデレーターとして、人選から事前打ち合わせ会までアレンジすることになった。

 

それで「学会行き過ぎ」と文句言われ続けるのは、もう納得行かない。

 

むしろもう今年になって国際学会も行かず、国内学会からも呼ばれず、の方が職務放棄していないか?

 

そんな訳で僕は今年一杯で大学を辞める。

 

そして大学近くに、クリニックと研究室を作る。

 

臨床機器にかかるお金よりも、基礎研究機器にかかるお金のほうが、1/5位と格段に安い。

 

科研費などの国からの研究費はもらえなくなるけど、それも300万、500万の額、そんなの経費で落とせるし。

 

しかも今のラボでは決して雇ってもらえなかった、実験補助員(テクニシャン、どのラボにも1人か2人かそれ以上いる)も、開業すれば雇える。

 

もうこの歳でピペット振ってる人なんて普通いないからね…。

 

しかもこの歳で病棟からPHSで呼ばれて、待機でも当直でもないのに「処方入れ下さい」「点滴の針入れて下さい」でじゃ、体が保たないよね。

昔々、某サイトでブログをやっていた。

 

もちろん匿名。

 

一人の医師として思いの丈を書きまくれたし、お陰でアクセス数やランキングも相当伸び、関係していろんな友人ができたり、いろんなイベントがあった。

 

一区切りして一旦ブログを閉鎖し、当時流行し始めたSNSに乗り換えた。

 

Closedな空間なのでそれはそれで当初安心していたのだが、そのうちSNSでつぶやいた内容を「こいつがSNSでこう言ってたぜ」と公に広める奴らが現れた。

 

それはそれで個人名でやるSNSの弱みだし、その危険性を認識しながら書いたり友達承認したりした私が悪いのだが、それにしてもあちこちから保身のための非難が巻き起こり、いよいよ自分の立場も危うくなった。

 

私は酒飲みで、日常生活上のストレスも人並みにあり、毎晩痛飲する。

 

そして酔った勢いで言いたいことを書く位しか、ストレスのはけ口がない弱い人間である。

 

しゃべりは苦手だが、幸い書くことだけは好きだし得意なつもりでいるので。

 

そんな訳で、匿名の語り手による戯言と、話半分どころか話1/10として、今後読んでいただければ幸いです。

 

よろしくお願いいたします。