おはようございます、カツオと申します。


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このコロナ禍、初老の男の一人暮らしのなかで小さな幸せを見つけて生きたいと思っています。



ここに37年という長い時間を費やして完結をみた小説の最終巻がある。


宮本輝の小説『流転の海 第九部  野の春』である。第一部は僕が高校生の頃に上梓された。それから37年である。(単行本として1982年より2018年の完結まで、全九部)

先ずは、この長きに亘り見事完結に導いてくださった作者の宮本輝さんに謝意を述べたい。この長い年月、ご自身にも色々なご苦労があったこととご推察いたします。長い間の執筆、本当に素晴らしい作品をこの世に誕生させて下さって感謝の念に堪えません。



この作品は、松坂熊吾という男気のある実業家の後半生とその家族の約20年間を描いた、宮本輝さんの父親を描いたとされる自伝的小説です。作中には宮本作品のモチーフとなったと思われるようなエピソードが随所にあって彼の愛読者にとってもたまらない作品となっています。


宮本作品を愛読し始めた当初は、この『流転の海』を僕は遠ざけていました。あれはいつ頃だったろうか、まだ第二部ぐらいの時だったのだろうか、この作品を知った当初から読みたくて仕方なかったのですが、当初完結は第五部と云われていたのです。完結を読めるまでにはまだ10年以上かかるだろう。一気に読みたい派な僕は、だから遠ざけていたのです。

そしてようやく第五部が上梓されたのを知りました。文庫化されたのが2010年ですから、その頃に一気に第五部まで文庫を買って読み耽りました。

あれ?( ̄▽ ̄;)

第五部では終わりそうにないぞ!?


そうです。上記に書いた通り『流転の海』は予定の第五部で完結出来ずにを大幅に越えて第九部まで懸かったのです。( ̄▽ ̄;)

もう記憶にないのですが、僕がそれを知ったのはもちろん第五部を読了してからだったと思います。えっ?終わらないぞ!?熊吾お父ちゃんはまだ死にそうにありません。と言うのも自伝的作品と聞いているので、宮本輝氏のお父君が亡くなられるのは氏が二十歳を過ぎた頃の事だったと知っていたからです。

詐欺やんけ?( ̄▽ ̄;)


おそらく「あとがき」にも宮本輝さんの終らない言い訳が書かれていたように記憶します。いつのあとがきだったかに、宮本輝さんが高齢の読者のファンレターを紹介した時がありました。そのファンさんは「早く完結してくれないと最後まで読みきれる自信がありません」と切々と訴えていたと記憶します。あの方は第九部まで読みきれたのだろうか。( ̄▽ ̄;)



物語は終戦直後の焼け野原となった大阪から始まります。主人公の松坂熊吾は50歳。この年、四番目の妻 房江に熊吾にとって人生初の子供が誕生しました。熊吾はその子を伸仁と名付けます。

物語はその伸仁の成長を追いながら進みますが、数々の登場人物や場面によって熊吾の幼少期や青年期の回想なども加わって、物語は明治から戦前、戦中、戦後そして高度経済成長期の頃までの、名もない家族の人生を描いています。派手な立回りや挿話は一切ありません。ただ庶民の生活が描かれているだけです。

しかし巻を増す毎に、熊吾、房江、伸仁の家族がまるで親しき隣人の如く身近に感じられ、時に熊吾を騙す者を憎み、伸仁に優しい声をかける者に微笑み、また時に妻に手を掛ける熊吾をも憎むことになります。

全編、生きていくために東奔西走する熊吾お父ちゃんが泥臭いのに格好よく、頑張れと心のなかで応援しながら読み進んで行くことになります。そして最終巻は涙なくしては読めないシーンが随所に散りばめられて結末を向かえることになります。

読了して、ようやく終わった、と大いなる感慨に浸りました。僕は10年間でしたが、1982年に読み始めた人はまさに37年間の感慨に浸られていることと推察いたします。本当に長かったことでしょう。読者の方々にもお疲れさまでしたと言いたいです。


さて、ようやく完結をみて、落ち着いた頃にまた第一部から九部までを今度は一気に読みきる醍醐味を味わおうと思っています。

でも、いましばらくはこの『野の春』の余韻に浸っていようと思います。


あらためて、宮本輝さん上梓おめでとうございます。



ではまた





指原莉乃ちゃんについては、そんなに言う指原ってどんな子だったの?って思われたらこちらにどうぞ!😆👍➰

『アイドル 指原莉乃の軌跡 (2016年→2020年編)』(旧題 さっしーってサァ・・・)


彼女のアイドルとしての軌跡をテーマ毎に記事にしてあります。テーマは100ありますが、特に読んで欲しいのは「指原莉乃という人」や「さしはラーカイブ」、「今年の一枚」辺りでしょうか。

拙い文章で読みにくいとは思いますが彼女が気になったらぜひ!


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