ロンドンmedicのブログ

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`患者さんがもう待ってるから、急いで診察を初めて。今日は忙しいから宜しくね’とGENERAL PRACTICE(一般内科)の研修に着いた瞬間先生から言われました。今週で一般内科の研修の4週目に入り、もう一人で患者さんの診察をし、治療計画は先生と相談するようにしています。病院研修と違って、もっと患者さんとゆっくりお話が出来て、話が好きな私には楽しい毎日です。臨床的には、カゼ、背中の痛み、アレルギーなどが多く、あまり難しいケースはありません。


水曜日はクリニックがお昼までなので、いつも忙しい日なのです。時間があっという間に過ぎ、時計を見たら12時でした。‘やっと、一休みできそう’と思い、キッチンにお茶を入れに行こうとしたとき、PCにスクリーンメッセージ:‘

ドクター:Bさんの診察お願い。よくしゃべるおじいさんだから、あなたにぴったりよ’

手に持ってたマグカップを机におき、しかたなく待合室に行きました。

私:‘Bさんどうぞ’
グレイのぼうしをかぶった80代のおじいさんがゆっくりと立ち上がり、私のほうへ向かいました。
私:始めまして、私はこちらのクリニックで研修をしてる医学生です。今日は私がお話を聞き診察をさせてもらいたいのですがよろしいですか?
Bさん:もちろんいいですよ (Bさんは優しく笑いました)

自分のペースで部屋へ向かってたら、振り向くとBさんは私に追いつこうとし、ちょっとあせっていました。‘Bさん、急がなくていいですよ’と声をかけたら、気の毒そうに笑いました。

私:さて、今日はどうさえれました?
Bさん:ちょっと最近おなかがいたくて。。。。


PCでカルテを見ると、Bさんはかなり小さな問題でよくクリニックにくるみたいで、‘ただの心配性のおじいさんかー’と思いました。くわしくおなかの痛みのことを聞くと、ただのベンピのようでしたが、本人の安心のために著音波スキャンを病院でするようにドクターに手紙を書いてもらいました。

私:おなかの痛みは、いつも同じですか?それとも一日の間でひどくなったりしますか?
Bさん:夜のほうがひどいです。。。。。(Bさんは大きいため息をつきました)。。。私の過去に色んな辛い事があったのです。それが、今でも忘れることができず、毎日、苦しい思いをしています。


ここで、私は‘あー、そうですか’の一言ですませようと思いました。しかし、Bさんを見ると10年以上に亡くなった自分の祖父を思い出し、話を続ける事にしました。

私:もし良かったら、お話を聞かせてくれませんか?


それからの会話は30分ほど続きました。終わった後に何て言えばいいのか。。。。言葉がありませんでした。

Bさんはポーランドで生まれ、アウシュビッツの生存者でした。両親はキャンプで亡くなり、親戚や友人も失い、私が想像も出来ない様な経験をして来ました。まだ、子供だったBさんは毎日働かされて、食べるものも少なく、お水も飲めない日もあったそうです。

Bさん;‘火葬場がいっぱいになった時は小さな子供たちは生きたまま火の中に投げられました。。。。今、娘が一人います。。。。娘がいなければ、私はとっくに自殺していますよ’とBさんは震えた声で言いました。

Bさんは15歳のときにキャンプから出たそうです(1944)。それから、人生を取戻すために頑張りました。大学に行き、エンジニアとして働き、今では学校、テレビなどでアウシュビッツでの話をみなさんとシェアーしてるそうです。Bさんの顔を見ると、しわでいっぱいでした。何だか、その一本一本のしわが、痛み、強さ、それと知恵をあらわしているようでした。





アウシュビッツでは100万人以上の命がうしなわれました。

今、日本やイギリスでの生活は平和な毎日です。私たちの悩みはBさんみたいな人にとっては、ちぽっけな事でしょう。Bさんとお話をして思いました、

人生は無駄にするものではない。よく弱みを言ってる私。。。毎日が大変だとか、きついとか。私が想像できないような過去を背負って生きてるBさんがいます。私も頑張らなきゃ。

Bさん、お会いできて良かったです。