いつも人の前で強がっていて、まるでネガティブな感情が一切ない完璧な人間の存在であるエリックは、実は、寂しがり屋で、人の何気なく言った言葉や行動で落ち込むのよ。

 自分は小さいころから、どこへ行ってもいじめの標的になっていて、だんだん悲観的になり、自分以外の人間を信じちゃだめだよって思いはじめた。さらに、両親は仕事の関係で家にいる時間が少なくて、家に居ても姉と兄ばっかりと遊んでいて、自分が家に居ても居場所がないって感じていた。そこで、自分はぬいぐるみと遊び始めた、多重人格って感じで違うトーンでぬいぐるみたちを演じていて、いつの間にかぬいぐるみと話せるようになった。

 

 中学校5年間、母は自分の通ってた中学校のカウンセラーのせいで、私はクラスの皆にいじめられていた。出したはずの宿題は先生のところに辿り着かないし、クラスでは自分を相手にする人は一人もいなかった。家へ帰ったら、「なぜ宿題出してないの」って母に叱られて、どれだけ説明しても、母は信じてくれなかった。その時に、唯一自分を信じてくれたのがぬいぐるみだった。それから、色々あって、生きる意識を全部失う時期もあった。その時に自分の心の穴を埋めたのも、自分の弱気を受け入れてくれたのもぬいぐるみだった。

 今この文章を読んでいる貴方にとって、エリックってどういう人なんでしょうか?優しい人?ジェントルマン?繊細な人?楽観的な人?違うよ、エリックはそんないい人じゃないよ。私は昔から臆病で神経質なんだよ。他の人が何気なく言った言葉や行動ですぐ落ち込んだり心配したりするんだよ。そういうイメージがあったのは、自分がいつもネガティブな感情を他の人に言わず、ぬいぐるみにぶん投げてるからこそだよ。

 

 最後に一言。日本に来てから、物事は自分の思っている方向に上手く行かなくて、どうでもいいやって私は思っていた。が、クラスの皆は私を受け入れてくれた、優しくしてくれた。こんな情けないエリックは貴方たちのおかげで幸せに生きている。私を信じてくれて、本当にありがとうございます。こんな情けないエリックだが、これからもよろしくお願いします。