居間のサイドボードの引き出し・・・



よそのお宅ではどのような物を収納してるんでしょう?



我が家・・・ひどいもんでした。



同じ引き出しの中に無関係な物が雑多になっていたり



いったい何年前から置いてんの?



ってくらい古い滅菌ガーゼとか包帯とか。



母が認知症を患い、そんな不要不急な片付けなんぞする暇があったら



少しでも眠りたい、休みたい・・・そんな毎日でした。



8段ぶんの引き出しのうち、4段だけ片付けてみた。



引き出しの奥から、小さな手帳やメモ用紙、ジップロックに入った紙切れが・・・。



母が認知症の入り口で戸惑い、悩み、もがき苦しんだ証し。



小さな手帳には簡単な家計簿をつけようとしたのね。



かいもの、びょういん、びようしつ、こうさいひ・・・・項目ごとにひらがなで。



そのひらがなは、大きさもまちまちでお世辞にもきれいではない。



以前はとてもきれいな字を書く人だったから、漢字がわからない、ひらがなすら



上手く書けない自分をもどかしく思ったに違いない。



泣き虫な母だから、私や父親の見えないところで苦しくて泣いたんだろうな。



一緒に暮らしていて、私は母の何をわかっていたんだろ。



認知症と診断されてから「そういえば、あのとき」って思い出すことばっかりで



ホントに情けない娘だ。



どうしてもっと早く気づいて、その苦しみから救ってあげられなかったんだろ。



認知症は完治しなくても、共感したり一緒にできることたくさんあっただろうに。



思いもよらない事から、また母の辛かった日々を垣間見てしまった。







引き出しには涙いっぱい詰まってたよ。



今頃見つけるなんてね・・・



こんな親不孝な娘を許してね、お母さん。



今の生活が少しでも辛くなったり、クソ爺に腹がたったとき



お母さんのひらがなを思い出したら、また頑張れるかなぁ。