2016年10月末、彼女の引っ越しの3日前のことです。
彼女の荷物については、事前に運べる分の運び出しは概ね終わっていました。
これから彼女が使う部屋からは全ての物を移動したり処分したりして、すっからかんの状態です。
シーリングライトはLEDで黄色調整ができる物を新調したり、壁のコンセントやライトのスイッチカバーを取り替えました。。
彼女と一緒にフローリングや壁、窓や収納の中をくまなく掃除しました。彼女は掃除の技はプロ級で、色々な洗剤や掃除道具を駆使してくまなく綺麗しています。
そして掃除をしながら、彼女は部屋をこんな風にしたい、あんな風にしたいって楽しそうに話します。
そんなさなかのことです。
私は彼女に「前にも言ったけど、引っ越しが終わって落ち着いたら、病院かカウンセリングのことを考えてみてよ」と言いました。
たぶん彼女にはそれが他人事のように言ってると聞こえたんだと思います。
彼女は反発して激昂し、家を飛び出して行ってしまいました。
その時私の中に、またかと半ば呆れ、半ば諦めの感情が生まれ、彼女をすぐに追い掛けることができずに呆然としてしまいました。
その後、彼女から彼女のマンションに帰ってることをLINEで告げられました。
「なんで追い掛けてくれなかったの」と彼女のLINEは続きます。
「俺だって怒ることもあれば、どうしていいかわからなくなることだってあるよ」と私は返します。
「もう、私のことなんてどうでもいいんでしょ」と彼女。
「そんなことない。そんなことないよ」と私。
「もういいよ」と彼女が言いました。
「何がいいんだよ。よくないでしょ。今から車でそっちに行くから」と彼女にLINEをして、彼女の家まで車を走らせました。
彼女のマンションに着いて、チャイムを鳴らし、彼女の家に入りました。
彼女は玄関の側でへたり込んで泣いていました。
そんな彼女のことを私はただずっと抱きしめました。
それからしばらくして、私は彼女にこう言いました。
「何かあった時、絶対に俺の言うことを聞いて欲しい。それさえ約束してくれたら、これから一緒に暮らしていける」と。
「それだと、例えばあなたが一人で飲みに行くって言ったら、私はそれをいつでも許さないといけなくなるよ」と彼女は返します。
「そんなことはいわないよ。君が本当に困っている時、俺の話しに耳を傾けて欲しい。俺のことを信じて欲しいんだ」と私が言います。
彼女は少し考えて「うん、わかったよ」と言ってくれました。
私は彼女に「ありがとう」と「ごめんね」を言いました。
彼女も私に「ありがとう」と「ごめんね」を言いました。
今にして思えば、もっといい言い方は無かったのかなと思います。
ただ、これでようやく彼女の引っ越しの日を迎えることができました。