ログハウスはもともと原始的な建築物だけに、世界中に存在したといわれている。
人は開拓するために森を切り開いて平らな土地を作っていった。そこに住処を建て、狩猟や農作で生活の糧を得て、家族を養っていった。ログハウスは、森を開拓するときに伐り出した樹木をそのまま積み重ねるだけで家になるという構法だけに、だれもが考えつく家の造り方であった。しかも精巧な工具を必要とせず、素人でも建てることができる。
ローラ・インガルス・ワイルダーが書いた『大草原の小さな家』は、西部開拓時代の家族を描いたものだが、最初の頃の家は、父親がセルフビルドで建てたログハウスだった。
ログハウスの最も古いと思われる建物は、B.C.1500年にできたログハウスと思われる。川島宙次著『世界の民家 住まいの創造』によると、ユーゴスラビア、バルカン半島にあるアスパルン考古学博物館には、その当時のログハウスを再現した建物も残っているという。幅5.7×長さ12.2m×高さ5.6mとそこそこ大きな建物だ。
当時はノッチを加工する技術がなかったらしく、柱を立て、柱に溝を彫り、そこに丸太を組み込んで、積み重ねるという構法であった。今でいうピース・エン・ピース構法である。
構法こそ多少違うが、外観は今のログハウスとは、あまり違わない。
その時代からピース・エン・ピース構法で家を造っていたのだ。
約3500年前に建築された建物を再現したログハウス(アスパルン考古学博物館)
川島宙次著『世界の民家 住まいの創造』より
