どんな人も自分の記憶が失われていることに不満をいだくが、判断の欠如について不満をいだくものはない。
By.ラ・ロシュフーコー(フランスの貴族、モラリスト文学者)
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今日は脳の前頭葉の機能「ワーキングメモリ」についてのお話。
これは人間にしかない高次機能。
そもそも、ワーキングメモリって?
ワーキングメモリ
――作業記憶・作動記憶
短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指す。 会話や読み書き、計算などの基礎となる、私たちの日常生活や学習を支える重要な能力。
さまざまなモデルが提案されている。
国語、算数(数学)、理科などの学習と密接に関連している。
発達障害のある子どもの多くがワーキングメモリの問題を抱えていることが明らかになっている。
(「児童・生徒のワーキングメモリと学習支援」より)
ワーキングメモリの概念
――何かをしながら、別のことを考えたり実行する。
ワーキングメモリをモデル化した学者の一人、イギリス・ヨーク大学のアラン・バッドリー教授がいます。ワーキングメモリのモデルを思いついたのは、車を運転しながらラグビーの実況放送を聞いていたとき、ラグビー中継に熱中するあまり車を運転するのがとても難しかったという経験からだとか。
ワーキングメモリの低下は、注意の制御ができなくなります。
注意力散漫で、あれこれやっても頭に入ってこないというときは、ワーキングメモリが低下している証。
うつ病の患者さんは、記憶力が悪くなった、集中力がなくなったと言うことが多いそうですが、これはワーキングメモリの一時的低下によるものだとか。
理由もなくイライラして怒りっぽい人も、ワーキングメモリが低下している状態です。
ワーキングメモリの管理策としては、一度にあれこれやり過ぎないこと。
そこで、習い事をいくつもやらせている親は、子供の才能の芽をつんでしまう可能性もあるのだとか。
そんな馬鹿な! どんな才能があるかわからないから、あれこれ習い事をさせているのに!!
と思わず声を上げた親御さんもいらっしゃるでしょう。
これはあくまで“可能性”です。
ただ、こういう可能性も考えて、朝から晩まで習い事……というように詰め込み過ぎないことは大切だと思います。
では、ワーキングメモリを増やすにはどうしたらよいのでしょうか?
一つは、脳トレ。
ワーキングメモリを増加させる一因になるという研究結果があります。(一方で、まったく効果がないという批評もあるようですが)
脳トレには「神経衰弱」がよいらしいです。
まさに覚えることと考えることを同時に行うから。
(神経衰弱ってあらためて漢字を見ると、ひどいネーミングですね。笑)
そして、充分な睡眠をとること。
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の栗山健一室長の研究でも、睡眠をきちんととった後の人のワーキングメモリの方が、長時間起きて疲れている状態の人のワーキングメモリより優れていました。
あと、日常生活で「優先順位をつける」ことや「メモに書きだす(一時的に忘れても大丈夫にする)」ことを習慣づけることも大切ですね。
一度にすべてを手に付けようとせず、整理をしてから取り組む。
すると処理能力もアップし、結果、ワーキングメモリの増加につながるのだと思います。
【参考:「器が小さい人」をやめる50の方法】