つくづくこの国にはおめでたいなと思います。
今に始まったことではありません。
戦前から戦力と国力の目算ができる専門家がいないのです。
昨日のTVタックルを見ておりますと志方某とやらが、ぎゃーぎゃー喚いておりましたが、現実に即しない話ばかり。
あたかも通常兵器や敵基地攻撃能力があれば核を防げるかのごとき論理展開には呆れました。
核が真剣なら通常兵器は竹刀のようなもの、竹刀を持っていれば、真剣とでも勝負になると言っているようなものです。
「何人殺して」などと言葉は悪かったものの田岡氏の意見の方がマシです。
たしか、おおまかに
北の核に対抗する手段は核保有、MD、敵基地攻撃(おそらく先制攻撃論のこと)の3つしかない。
技術的に可能なのは核保有しかない。
しかし、核保有をすればアメリカとの対立が決定的になるので持つことはできない。
従って外交しか手段はない。
という感じの内容だったと記憶しております。
対抗手段が3つしかないというのはおそらくその通りでしょう。
まず、先制攻撃については、
「成功して敵の攻撃能力が著しく低下、またはなくなる」
ということが前提なのでしょうが、成功する根拠が一切ありません。
「日本には神風が吹いて、必ず勝てる」
と根拠のない自信で最悪の事態をもたらした昭和から成長していない意見です。
どこの国が攻撃してくださいとミサイル基地攻撃を許しますか?
次にMD。
理論的には可能ですが、技術的には不可能、効果も薄い。
MDは発射前の軌道計算だけでは簡単にはあたらない(測定や計算の誤差はなくせない)ので、自動追尾+軌道予測のような技術が必要になります。
計算速度次第で可能かとも思われますが、これができるなら自動回避も可能なのです。
(実はそれどころか、はるかに簡単な方法で回避できます。)
核保有に関しては、論外です。
米中との対立を招き経済制裁によって経済面、食糧面で立ち行かなくなることは確実です。
結局軍事的手だてはありません。
緊張が高まった瞬間にこの国は終わるのです。
このような話をすると、ちょっと安全保障をかじった連中は、必ず
「攻撃されたらどうするんだ」
とか
「外交のためには軍事力の裏付けが必要」
などと徹底抗戦や軍拡の方へ話をもっていきます。
だ・か・ら・交戦状態になった瞬間に終わりだって…。
「攻撃されたら~」
の話は
「攻撃されて、抗戦して負けない」
ことを前提にしています。
戦力や国力の目算ができているのか疑いたくなります。
また、「軍事力の裏付け」などという軍拡論も賛同できません。
軍拡は際限なく続き、国力を削ぐだけ。
国力低下した日本をどこが相手にしてくれますかね?
アメリカの51番目の州にでもなりますか?
私は反対ですが安保を破棄して軍拡・核保有をし軍事国家にするという主張ならひとつの意見です。
しかし安保堅持で外交のための核保有なき軍拡などというのは無意味で、軍拡にかかる費用は全くの無駄であると考えます。
軍事が起これば、この国は終わり、を前提にすれば多くの防衛費が無駄ということになります。
戦闘すれば必ず勝てるかのような妄想的安全保障を常識と考えず、防衛と外交のバランスを今一度検討してみてはいかがでしょうか?
と言っても、私の拙文では中々理解されないんですよね。