ちょうどいいものを見つけました。
http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/ryouyousakugen.html
医療介護と無関係な方はピンとこないでしょう。
療養病床には2通りあり、医療型と介護型。
医療型は一般病棟やリハビリ病棟などを経てそれでも回復せず且つ医療が必要な方がお世話になるところ。
介護型は、介護老人保健施設(通称:老健)・介護老人福祉施設(通称:特別養護老人ホーム)と並んで介護保険適用施設の一つで医療の必要性が最も高い人が入るところ。
これらを削減・廃止(*)というのは、高齢者を合法的に殺害する政策です。
もうひとつ記事を毎日新聞のものです。
よく、世代間格差という話を聞きます。
「格差は良くない」
と。
人口構成がいびつなら世代間格差が起こるのは当然で今更どのような政策を行っても世代間格差はなくなりません(**)。
既に恩恵を被った世代が存在する以上、そのしわ寄せはどこかに現れるのです。
少し考えればわかることを世代間に格差があり若者が損をする云々と馬鹿げた議論をしておりますが、多少気が利く人間であれば、この議論は高齢者に対する負担増のアリバイ作りであることを知っているはずです。
世代間格差是正策の一つが療養病床の廃止・削減ということになります。
(後世に負担を残さないというお題目の下医療・介護の費用削減を行っているという意味です。)
実際療養病床を追い出された人間は、行くところなく家に帰るしかない、そうであればロクな医療は受けられず、介護してくれる人がいなければ、生活もできず、それほど長くは生きられないでしょう。
しかし、身内であれば助けたいと思うはずで、子や孫、兄弟が仕事や学校を辞め、介護に従事することになります。
療養病床に入る必要があるほどであれば、介護従事者も一人では難しく、数人で介護をしなければならないかもしれません。
結局小手先で何をやってもある程度しわ寄せは下の世代に来るのです。
それとも見殺しにしますか?
20代~60代の人間が仕事を辞め介護に従事すれば、労働者人口は減り、それに伴い個人消費は減少、ますます経済は荒廃していきます。
可処分所得の増加など夢のまた夢。
自民の成長戦略などは行き当たりばったり思いつきの努力目標にしか過ぎないということを有権者は知っておいた方がいいでしょう。
一応民主党と自民党の療養病床政策をコピペしておきます。
赤文字箇所が主要部分です。
どちらもマニフェストとしては不十分ですが、進む方向は見てとれると思います。
医療介護の問題は必ず全ての方が、経験することです。
自分のこととして考えてください。
『●長期療養病床計画
日本の将来推計人口・平成18年12月版(国立社会保障・人口問題研究所)の中位出生・高位死亡率を採用すると2025年(平成37年)の総人口は1億1843万人になります。この時の療養病床の入院発生数を推計するため、平成17年患者調査(厚生労働省)の入院受療率(10万対比)と74歳以下の人口推計および75歳以上の人口推計を用いると、2025年は54万3100床となります。しかしながら、「療養病床における医療提供体制に関する調査報告書」(平成16年)によれば約3割の患者が医学的管理を必要としておらず、これが3割削減の根拠です。ちなみに厚生労働省は「同報告書」の解釈を32.9%の患者のみが医学的管理を必要としているとし、23万床の削減計画を打ち出したのです。民主党は2025年の推計入院患者54万人の7割すなわち38万床が必要病床であり、残る17万人はいわゆる社会的入院と解し、在宅あるいは「終の棲家」としての施設としての拡充を図るべきであるとしました。38万床は2006年の療養病床数に一致します。つまり、現在の療養病床は居住施設への転換を図りつつ、急性期病床から亜急性期病床へ、亜急性期病床から療養病床への転換を図りながら、総枠としての療養病床38万床を維持しなければなりません。療養病床は医療を必要とする患者さんが入院しているわけですから食事、居住も医療の一環として捉え、基本の食事・居住費を含んだ包括払いとし、プラスアルファの部分を選定療養とする。さらに終生、医療・介護を必要とする患者さんにとっては、終の棲家で訪問医療・看護・介護を受ける、という観点から個室形態が望ましいと考えます。』
『介護サービスの改善と職員の処遇改善
地域の介護ニーズに応え、今後3年間で、特養、老健及びグループホームの約16万人分の整備を目標に取り組む。介護に携わる人材が意欲とやりがいをもってサービスを提供できるよう、介護報酬の3%アップ改定に加え、介護職員の処遇改善に努める事業主に対して職員の給料一人当たり月平均1万5千円の引上げに相当する金額を助成し、専門性と職務の重要性に応じた賃金体系の普及・定着を目指す。また、現任介護職員の研修やキャリアアップの支援、介護労働者の職場環境の改善を進める。なお、平成24年度の介護報酬改定時においては、介護保険料の上昇を抑制しつつ、介護報酬を引き上げる。療養病床再編成については、適切に措置する。 』
(自民党 政策BANK )
* 一時、療養病床削減断念の記事が毎日新聞に出たことがあるようですが、厚労省はこれを否定。
** やや正確ではないかもしれません。
小手先の政策では世代間格差はなくならないという意味です。
まだ頭の中で完全な形にはなっておりませんが、私は地域活性化(特に地方の雇用確保)が一つのカギになるかもしれないという予感があります。
だからこそ、今の地域利権の奪い合いのような地方分権話がたまらなく不快なのです。