東劇場、橋下劇場の陰でひっそりと参議院で議論されている法案があります。
臓器移植法改正案です。
人の命に関わることなので、もう少し報道されてもいいものを目立ちたがり屋の知事さんたちのおかげで完全に陰に隠れてしまいました。
既に衆議院を通過したA案に対し、野党を中心とした対案が提出されております。
A案の年齢制限の撤廃をふまえ
1.内閣府に臨時調査会を設置(子どもの脳死判定基準などを検討するため)
2.「脳死は人の死」を臓器提供のケースに限ることを明記する。
の2点がポイントです。
対案を全文見ているわけではないのですが、2.については、おそらく現行法を維持ということだと思われますから現場での混乱は小さくなるでしょう。
問題は1.の方で脳死判定基準を検討している間は、15歳未満の移植は行われないということで賛否が分かれるところです。
私個人としては、子供に限らず脳死判定基準は数年毎にUPDATEすべきだと考えております。
現行法においてなんといっても理解できないのが、
第6条2項の
「脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至った」
の文言です。
「不可逆的」の科学的根拠は?
いつも疑問に思っております。
もし、「不可逆的」であることが科学的に証明できているならば、脳死が人の死か否かの議論にならないでしょうから「統計的に」「不可逆」という意味なのではないでしょうか?
そうであれば、現在の判定基準が適切であるか否かの見直しは常にしていくべきであると思っておりますが、現実は1985年のいわゆる「竹内基準」を未だに使い続けているようで、見直したという話は聞きません。
私自身の勝手な案ですが、1.については、
a.臨時調査会のようなものを数年毎に設置し子供の脳死判定に限らず全体の脳死判定基準を更新していく。
b.初回の調査会設置を移植法改正案通過後直ちに行う。
c.改正法施行後、調査会の結論が出るまでは現行の竹内基準で15歳未満の判定も行う。
行政・立法の知識がありませんので、おかしなことを言っているかもしれません。
A案、対案両方を最大限尊重したつもりですが日程的にも内容的にも難しいでしょうか?
衆議院の解散が間際に迫り、投票日は8月2日または9日を軸に進んでいると今日のスポーツ報知 などにも報じられております。
とにかく時間がありません。
折角方向が決まったのですから、なんとか廃案になる前にまとまることを望みます。