まず最初に公判の様子がizaで記事になっておりましたのでリンクしておきます。

【西松事件公判】(1)「間違いありません」…検察側、裏金捻出の実態指摘

【西松事件公判】(2)「ゼネコン、小沢事務所の『天の声』で談合取りまとめ」と検察側

【西松事件公判】(3)西松経営難で蜜月崩壊…「献金減額」に渋い顔の大久保被告

【西松事件公判】(4)西松の献金「ゼロ回答」に「そういう訳にはいきません」

【西松事件公判】(5)“力添え”を頼まれた大久保被告「よし、わかった。西松にしてやる」

【西松事件公判】(6)「会社のためとはいえ…悔悟の念で一杯」

【西松事件公判】(7)談合「あったほうが楽?」と裁判長

【西松事件公判】(8)「規正法を踏みにじる犯行」「周到かつ巧妙な偽装工作」

【西松事件公判】(9)「トンネルの神様」の話で政治団体誕生

【西松事件公判】(10完)「競争に勝つため献金は不可欠 西松だけしないのは不可能」


私としては、はたして検察がどのような証拠を持ち出してくるのか興味があったのですが、今日の公判を見る限り結局何一つ立証できていなかったようです。


批判するのもバカバカしいのですが、一点だけ。


検察の言い分をまとめると

「談合の首謀者が小沢事務所側でありその見返りとして献金を行った。

見返りであるということを隠すためにダミーの政治団体を用いた。」

ということらしい。


まず、これが成り立つためには「談合があり、その首謀者が大久保被告である」という証明をしなければなりません。

その証明のためには、一般的には検察側が事実に基づき大久保被告を再逮捕し談合罪で起訴し、裁判で談合の事実を大久保被告側と争わなければなりません。

しかし、今回の場合挙げられた5つの公共工事のうち4つは時効が成立しており、直近の2006年のものは西松は落札していないからこの件での起訴はできません。


従って、そもそも公判を分離すべきではないのでしょうが、大久保被告の公判と分離された以上、この談合の真偽に関して裁判を行う代わりに今回の公判で談合の構造を証明する義務を検察は負います。

izaの記事からもわかるように、wordだけは色々並べておりますが、5W1Hが示されておらず大久保被告が談合にどのように関わったのか一切分からない。


極めておかしな公判です。

談合がどのように行われたのか詳細が一切語られていないのです。


「大久保被告の公判に備えて隠しているのでは?」と言われておりますが、物証があれば隠す必要がない。

つまり物証がなく証言のみが頼りということが予想されます。

しかも、検察の表現から東北地方の多数のゼネコン関係者の発言ではなくごく一部の関係者の発言であり裏取りもできていないと読み取れます。


今回の公判は大久保被告の仕切りの物証もなく事実認定もされておらず、しかも大久保被告の証言もないにも関わらず、これを前提として話が進んでゆくという奇妙奇天烈なものです。

これが法治国家の裁判なのでしょうか?


また国沢被告は、、『「供述調書以外の事は知りません」などと述べ、具体的事実を語ることはありませんでした』(JNN news)とも報じられております。

「供述調書のことしか知らない」ということは、「供述調書の内容は読んで知っているが、事実に基づかない捏造であるからそれ以外のことは分からない」ということを暗に語っていると私は受け取りました。

検察が捏造したストーリーを執行猶予を勝ち取るために追認しただけという疑念をもちます。


と、疲れて眠たいので今日のところはここまで。

明日読み直して書き直すかもしれません。

おやすみなさい。


で、加筆。

まず、公判で挙げられた工事5件のうち岩手の4件は一般競争入札であった。(2009/06/20 読売新聞

指名競争入札では、入札企業が限定されるために談合が成立しやすい状況にありますが、一般競争入札の場合談合を行うのは不可能ではないという意見もありますが比較にならないほど困難になります。

一般競争入札でどのような方法を用いて「天の声」を駆使したのかの説明もなく談合があったとする検察の陳述は乱暴すぎると断じざるを得ません。

用事ができたので、中座。


続きを書こうと再び公判の全容を読み直してみるもあまりにお粗末な内容で読むのが疲れました。


証明されていない定理を用いた証明が認められることはないでしょう。