諸事情により更新が滞っておりまして申し訳ございません。
もうしばらく休みたい所なのですが、見逃すことができない記事がありましたので更新することにしました。
麻生総理の東京都内での演説に関する記事です。
まずソマリア沖の海賊に対して
「泥棒に襲われるのなら守るのは当たり前。」
などと言ったうえで、
「北朝鮮に対しても同じ。少なくとも我々は戦うべき時は戦わなければならない。その覚悟だけは持たなければ、国の安全なんか守れるはずがない」
と演説したそうです。
多くの報道では、「北朝鮮に対しても同じ」の部分が省かれており、「外交的に強く出るという覚悟」を言ったのかとも思いましたが、この部分があると全く意味が異なります。
明確に軍事行動を表明したということになります。
さらに白川勝彦元衆議院議員のブログ の「右翼反動の対外政策(?) 」に指摘がありましたが、細田幹事長も「とんでもない発言をした」そうです。
「早く向こうの体制を倒して、(拉致被害者を)救済しなければならない」
「われわれが安心して暮らすにはどうしたらいいか。まず国際的に北朝鮮を説得し、向こうの政権が倒れるまで国際的に締め上げないとだめだ」
「拉致被害者の救済」と「国際的に北朝鮮を説得し」は当然ですから、それはいいとして、「向こうの体制を倒す」とはどういうことか?
向こうの体制とは、おそらく金一族の体制のことでしょうが「向こうの体制が倒れれば拉致被害者が戻ってくる(可能性がある)」と「拉致被害者を取り戻すために向こうの体制を倒す」は違うわけです。
前者は問題ありませんが、後者は極めて問題で事実上の宣戦布告です。
そもそも「国際的に北朝鮮を説得し」と「向こうの体制を倒す」は論理的に全くつながりません。
説得して体制をどうやって倒すつもりなのでしょうか。
「説得し」につながるのは「核放棄をさせる」あるいは「拉致被害者の解放をさせる」です。
つまり、細田幹事長の第一目的は「北朝鮮の体制を倒す」ことのようです。
昨今の敵基地に対する先制攻撃論といい、どうにも自民党は戦争をやりたがっているように見えてしょうがない。
少なくとも麻生総理と細田幹事長については戦争の選挙利用をもくろんでいるように見えます。
最低の政治家です。
自民党は民主党に対抗する手段として外交や安全保障を掲げたようですが、所詮アメリカの腰ぎんちゃくでしかない自民党が外交安全保障として思いつくのは北攻撃などの軍事行動ぐらいのようです。
覚悟というならば、「戦争を回避する覚悟」をもって外交に臨んでいただきたいものです。
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今回の北朝鮮の核実験についての制裁決議に対して中国の姿勢が慎重さを増してきたようですが、正確な情報をつかみ、制裁の軽重と自国の利害の比較考量をしたうえでのことと思われます。
日本も軍事行動ばかり考えずに、米韓フィルターを通さない、もう少し正確な情報を集めることに力を注ぐべきです。
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対北朝鮮に限らず、日本は戦争をして得することは一つもありません。
近年報道主導による国民の右化傾向はとどまるところを知らず、自国日本に対する過信が横行しておりますが、
そもそもこの国に戦争できるだけの国力は有りません。
戦争とは単なる人と物の消耗戦なのですから、それなりの国力が必要なのです。
目先の利害だけではなく、長期的な国益を考えもう少し落ち着いた議論を期待します。