近代憲法は人権保障と統治機構から構成されております。
そのうち統治機構は国民主権と権力分立が2本の柱です。
国民主権は民主主義の要請によるものであり、権力分立は自由主義の要請です。
予告のときに
「民主主義と自由主義の危機」
と書きました。
事件の捏造により、世論をコントロールできるのであれば、これは国民の投票行動を検察が決定することになります。
民主主義の危機です。
さらに、司法は検察の描いたストーリーの矛盾を突くこともできず、ただ鵜呑みにして、量刑を決定するだけの組織になり下がってしまっています。
痴漢冤罪事件でのささやかなる司法の抵抗が唯一の希望かもしれませんが、その後の和歌山カレー事件ではまた思考を止めてしまいました。
捏造された事件や合理的疑いしか残らない事件まで司法が検察に追従するならばこれは権力分立など無いに等しいと言わざるをえません。
自由主義の危機なのです。
私たちは事の本質を見抜く力をつけなければ、せっかく得た自由と民主という2つの権利を失うことになりかねません。