生徒さんから相談を受けました。
『トレースがソフトの練習になるのはわかるのだけど、
トレース元があると、《わざわざこれ、俺がなぞらなくても、もう世の中に存在してるんだから良いじゃん》
と思っちゃう。
とはいえ、ゼロベースから何か作れるのかと言われると、
何を作って良いのかわからない…!』
うん。
すっごい分かります(笑)
真っ白なキャンパスと対峙した時の焦り。
何を作れば良いんだっけ??
って自問自答。
デザイナーなら、皆一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
お仕事なら、クライアントがいるから、
そこである程度ニーズや答えも限定されてくるのですが、
そういうのも何もない自主制作の時。
どうしたら良いのか悩みますよね!
私はそんな時、
《まず自分はどんなデザイン&イラストが好きなんだっけ?》
と原点に帰ります。
私のPCにはデスクトップに、《すきストック》
というフォルダが用意されていて、
その中にはここ最近でトキめいた、あらゆる画像を保存してあります。
新卒から保存&整理し続けているので、千枚は優に超えてるんじゃないかしら?
そのフォルダを一枚ずつ見ていき、
《今日トキめいたもの》
だけを選択して、別フォルダにコピーします。
で、別フォルダを見ていくと、
自分が選んだ画像から、今日の自分がどんなデザイン&イラストが好きなのか。
おぼろげながら共通点が見えてきます。
これをとっかかりに、デザイン制作やイラスト制作に入ることが多いです。
色味は画像A系が好き。
タッチは画像BとCとDの折衷案。
そこにオリジナル要素を足していき。
(大抵作り込んでいくうちに、どんどんオリジナル要素は追加されます)
はい、完成。
というパターン。
人って不思議なもので、真っ白なキャンパスを目の前にすると、
頭も真っ白になってしまうのですが、
すでに何か書いてあるものに対して、意見や批評を言うことは出来るんですよね。
なので、ある程度出来たら、
あとは自分の作ったデザイン&イラストに対して、
どんどん意見を言います。
で、反映していきます。
気がすむまで。
それを幾度となく繰り返していくうちに、
なんとなく自分のカラーが見えてきます。
あれ、私こういうのが好きなのね。
って。
個性とか、オリジナリティとか、
作ろうと思って作れるものではないんですよ。
《好き》を突き詰めた結果、
勝手に滲み出てくるものが、個性でありオリジナリティなんだというのが、
持論です。
(大学時代の好きな教授の受け売りなんだけどさ。)
なので、まずは手を動かすこと。
1ミリでも作っていく中でしか、見えないものってあると思います。
お若い生徒さんが、自分の《好き》
を大切にできますように…!