父は今も変わらず暴君だ。
若いときはさらにパワーがあり、ひどかった。

10歳の時、熱を出して休んでいると、
父がやってきて、
『熱が下がるから飲みなさい。』
と、言って緑色の藻のような小さい玉を飲まされた。
沼みたいな味がして、気持ち悪かったが、父に逆らうとどんなことになるか分からないので我慢した。
病状はとりあえず普通に回復できて、父は金魚の胆のうのおかげと言っていた。
後で聞いたが、どこからか金魚をもらってきて、自分でさばいて取り出した胆のうだったらしい。
思い出しても気持ち悪くなる。

30年以上経って、
職場で民間療法の話が出たとき、
誰も金魚の胆のうの効果どころか、飲んだこともないことはないと知った。

…私、あのとき死にかけるところだったのかも。

今さら何を言っても、虐待の証拠など残ってはいない。
でも、あの頃法律があったのなら、両親は逮捕してもらえたのにと今でも思う。
恐ろしい30年はもう少し減らされていたかも知れない。