lockystanbleのブログ

lockystanbleのブログ

ブログの説明を入力します。

Amebaでブログを始めよう!
1.校舎裏

「先輩…先輩。せんぱーい……寝て…ます? ……先輩。んっ」

体育館では暑苦しい中、バレー部の威勢のいい掛け声が響きわたる。
体育館裏はそんな暑苦しさをよそに心地いい風が吹き、快適な避暑地となっている。

「ん、ん~! ふぁあ、よく寝た。あれ?隆」
「っ! せ、先輩! こ、こんなところでサボってちゃダメですよ!」
「別にサボってるんじゃねーよ。部活まで時間あんだろ?」
「先輩、もう12時55分ですよ」
「おい! もっと早くに起こしに来いよ! マジギリギリじゃねーか!」
「先輩がどこでサボってるかなんて、オレにわかるわけないじゃないですか」
「あぁ? まぁ、そうか…。なんかいつもお前が起こしに来てくれるから安心してたわ」
「安心してる場合じゃないですよ。ほら、急がないと顧問の雷落ちますよ!」
「げえ! やべぇ。走るぞ、隆!」
「先輩! 待ってくださいよ~!」

あの後輩と先輩は体育館に向かって走り出す。心地いい体育館裏から、喧噪な体育館へ。
…俺は体育館の非常階段から動けずにいた。

(あの後輩……先輩にキスしてた?!)
いやいや、何か見間違いかもしれない。ここは男子校。そんな、校内でキスをするとか考えられない。そう、普通なら。

「マジかよ……ほんとにいるんだ。あんなやつ。しかもあの感じだと片思いか。」

俺は嫌悪感を感じたまま、教室に戻る。涼しいクーラーの効いた教室に。
明日にはもう今日のことは忘れてるだろう。……いや、忘れたい。
そう思いながら俺も校舎裏を後にする。

体育館からはバレー部の威勢のいい掛け声に代わり、剣道部の低い雄叫びのような声が
響きわたっていた。